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神々の塔
第五十四話 八艘跳びその十
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「全くや」
「当たらんな」
「あまりにも身軽でな」
 義経、彼がというのだ。
「それでや」
「重い武器やとな」
「思う様にいかんわ」
「銃で狙おうにも」
 今度はメルヴィルが言った。
「かわされるわ」
「そうやな、重い武器や狙い定める武器やとな」
 施は落日弓を手にしている、そのうえでの言葉だ。
「中々や」
「攻撃が当たらんな」
「どうにもな」
「それならそれでやり方がある」
 四人に言ったのはシェリルだった。
「確かに義経さんは素早くて身軽やが」
「それでもやな」
「効果のある戦い方がある」
「そやな」
「そやからあかんと思わんことやな」
「動く的に当てにくいなら」 
 それならというのだ。
「的を含めた広い範囲にや」
「攻撃する」
「一体だけやなくてその範囲全体を攻める」
「絨毯爆撃の要領やな」
「それをやるんやな」
「そや、私は出せるドラゴンを全部出して」 
 そしてというのだ。
「ブレスをな」
「吐かせるか」
「そうするか」
「そうしてか」
「広範囲攻撃を浴びせるか」
「そうするで」
 こう言って実際にだった。
 シェリルは神具の虹蛇だけでなく自身が操るドラゴン達を全て出して広範囲攻撃であるブレスを放たせた、そうしてだった。
 攻撃をかわす義経がいる範囲自体を攻撃した、するとだった。
 さしもの神霊もかわせずダメージを受けていった、他の面々も広範囲攻撃に切り替えてそれで義経に勝った。
 義経以外の神霊達も倒すとだ、義経は笑って言った。
「これでよし」
「上に行ってええですね」
「まさにな、しかし」
「しかし?」
「そなた達実に機転が利くな」
 こうリーに言うのだった。
「いいことだ」
「戦においてそうなのは」
「戦は咄嗟のことで全てが決まる」
 そうしたものだからだというのだ。
「だからな」
「咄嗟に機転を利かして」
「それで戦えるなら」
 そうであるならというのだ。
「よしだ」
「知識と機転ですね」
「その二つを活かすことがな」 
「戦に勝つにあたって大事なことですね」
「それで私も勝ってきたしな」
「機転を利かして」
「そうしてきたからな」
 だからだというのだ。
「そなた達がそうして戦うならな」
「ええですか」
「そうだ、これからもな」
「機転を利かして」
「そうしてだ」
 そのうえでというのだ。
「戦っていくことだ、いいな」
「はい」
 リーは確かな声で答えた。
「ほなです」
「そうしていくな」
「これからも」
「ならよし、それならな」
「先にですね」
「行くのだ」
 義経は確かな声で告げた。
「いいな」
「そうさせてもらいます」
「まだ先は長いが」
 それでもというのだ。

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