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神々の塔
第五十四話 八艘跳びその七

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「あの人は天才や」
「勘が凄いな」
「戦へのな」
「そうした人やな」
「しかしそれがな」
「仇になってやな」
「平家との戦が終わるとな」
 そうなればというのだ。
「用済みやったし」
「しかもそこに後白河院もやな」
「あの方らしくな」
「対立する様にされたな」
「それでや」
「あの結末になったな」
「そや、ただ後白河院が何もされんでも」
 非常に謀略を好まれたこの方がというのだ。
「それでもな」
「頼朝さんの性格やとな」
「もうすぐにや」
「粛清してたな」
「あの人はそうした人や」
 芥川も嫌悪を込めて言った、こうした話は人の世にはよくあることとわかっていてもそれでもいい話ではないというのだ。
「自分の邪魔になると思ったりな」
「用済みになるとやな」
「どんな相手でもな」
「消すな」
「例え自分に忠誠心があっても」
 そうであってもというのだ。
「平気でや」
「消す人やったな」
「義経さんは二重の意味でそやった」
「邪魔で用済みか」
「肉親で名声があったから自分の座を脅かして」
 義経がそうであってというのだ。
「尚且つ平家を倒したさかいな」
「もう用済みやな」
「そやからな」
 その為にというのだ。
「消したんや」
「あそこまでしてやな」
「あの人は消す必要のない人まで消した」
 自分が邪魔だの用済みだのとみなした人物はだ。
「それも根絶やしや」
「そうしてきたな」
「人類の歴史ではもっと酷い人おったけどな」 
 このことは事実だがというのだ。
「そやけどな」
「それとこれは別やな」
「好きになれんってことではな」
 主観、好き嫌いでというのだ。
「やっぱりな」
「こう言うな」
「ああ、それで因果が巡って」
 そうなりともだ、芥川は話した。
「源氏の血はや」
「絶えたな」
「嫡流はな」
「そうなったな」
「それで幕府はや」 
 鎌倉幕府、彼が築いた政権はというのだ。
「北条家が乗っ取った」
「そう言ってええな」
「まあ北条家も邪魔者はや」
「どんどん消したな」
「そうしたわ」
「それで権力基盤固めたな」
「僕はその北条家も嫌いやけどな」 
 彼等もというのだ。
「やっぱりな」
「頼朝さんはやな」
「嫌いや」
「やっぱりそやな」
「あれだけ人気のない人もおらんやろ」
 芥川はこうまで言った。
「他には井伊直弼さん位か」
「幕末の大老やな」
「安政の大獄のな」
「あれで大勢の人殺した」
「あの人位やな」
 それこそというのだ。
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