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第百十四話 ネットでの愚行その八

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「出来ないわね」
「そういうの見たら皆引くからな」
「ええ、それでね」
 そのうえでというのだ。
「お付き合いもね」
「しなくなるからな」
「いや、若しよ」
 富美子はこう前置きして越智に話した。
「越智ちゃんがそんなことしたら」
「別れるな」
「その瞬間にね」
「そうだな、俺もだ」
「そうするわね」
「虫唾が走るからな」
 その場面を見た瞬間にというのだ。
「最低の行いだ」
「人ですらないわね」
「茶碗は何を入れる場所だ」 
 越智は真面目な顔で言った。
「食べものだな」
「そうよね」
「そこに食べ終えてな」
 それでというのだ。
「痰を吐くなんてな」
「絶対にやったら駄目よ」
「それをするのはな」
「本当に最低よね」
「一体どんな人生を生きたかな」
「疑問になる位よね」
「そう思う、しかしこんなことする人はな」
 越智は真顔で言った。
「流石に滅多にいないがな」
「私はじめて聞いたわ」
 富美子は真顔で答えた。
「そんな人」
「俺もだ、コーヒーに吸い殻入れる人もな」
「そうはいないわよね」
「これも最低な行いだが」
 煙草の火を消す為にそうするのだ、だがこれもまた非常に下劣な行為であることは言うまでもないことだ。
「おそらくよりな」
「下品でね」
「酷いことだ」
「本当にどんな生き方してきたかよね」
「聞きたくなる位だ」
「もうね」
 それこそというのだ。
「躾とか受けてこなかった」
「そんな人か」
「けれど流石にそこまではね」
「躾を受けてない奴もいるしな」
「それでもそういうことする人って」
「いないな」
「学校に通って外に出て」
 そうして暮らしていってというのだ。
「就職してもね」
「そうして生きているだけでわかるしな」
「何をしていいか悪いか」
「だからだ、俺もそんな人はそれまでな」
「聞いたことなかったわよね」
「ああ、とんでもない人だ」
「誰もがドン引きする位のね」
 富美子はまた眉を顰めさせて言った。
「酷過ぎるわね、そんな人だと無自覚に」
「何をするかわからないな」
「どんな下品なこともね」
「そうだな、角砂糖を使うことはいい」
 このこと自体はというのだ。
「お店のな」
「その為にピンセットあるしね」
「普通手は使わない」
 ピンセットがあるからだというのだ。
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