暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第189話:神を殺す者と宿す者
[10/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
と勘繰ってしまうのは職業病の様な物であった。そうでなくても、突然通信を繋いで重要な情報を伝えることは相応にリスクを伴う筈。何故こんな事をするのかと、弦十郎が通信の向こうに居る相手に訊ねると彼はこう答えた。

『歌が……聞こえたって』
「歌……?」

『先輩が教えてくれたんです。あの瞬間、燃え尽きそうな空に、歌が聞こえたって。そんなの、私も聞いてみたくなるじゃないですかッ!』









 戦場では未だ響がディバインウェポンに一撃を加えようと奮闘している最中であった。片腕を半ばまで吹き飛ばされたディバインウェポンであったが、その戦闘力は未だ失われてはおらず地面を粉砕しその衝撃で響を翻弄していた。

「ぐあっ!?」

「終わりだ、これで」

「「立花 響ッ!」」

 風に煽られる木の葉の様に吹き飛ばされる響を見て、アダムはもう彼女に戦う力はないと判断した。それを下から見ていたカリオストロ達は、意識してか知らないが彼女を奮い立たせるようにその名を呼んだ。
 それが彼女の魂に火を付ける。意識を保った響は、マフラーを輝かせガントレットを変形させてドリルの様に高速回転させ一気に加速した。

 あれはマズイ、そう察したアダムは思わず叫んだ。

「神殺しッ! 止まれええッ!」

 焦るアダムの声が響く中、響は迷わず一気に突撃する。

「八方極遠に達するはこの拳ッ! 如何なる門も、打壊は容易いッ!」

 最早響は止められない。このままでは神の力毎、ディバインウェポンが破壊される。それを察したアダムは、誰もが予想出来ない行動に出た。

「ッ! ハグだよ、ティキッ! さあ、飛び込んでおいでッ! 神の力を手放してッ!」

 アダムに一方的な想いを抱いた……様に振る舞う事を求められたティキに、それに抗う事など出来る筈がない。否、抗うと言う考えすら浮かばない。ティキは求められるままに、言われた通りディバインウェポンを脱ぎ捨て飛び出した。

 そこに何があるのかを考えないままに…………

「アダムゥゥゥ、ダイスキィィィッ!」

「おおおおおおああああああああッ!」

 ティキが飛び出すのと、響が拳を突き出すのはほぼ同時だった。響の拳の射線上に飛び出したティキがどうなるか? そんなの考えるまでも無い事。

「キャアアアアアアァァァッ!?」

 戦闘能力皆無のティキの体が、響の一撃に耐えられる訳もなく。その身を両断されるように粉砕され、砕け散り地面に落下した。
 器であるティキが破壊されれば、神の力は形を失う。ディバインウェポンは光の粒子となって空中に漂うだけとなり、最早兵器としての形を成す事は無くなった。

 残されたのは上半身だけとなったティキの無残な姿。その状態になっても、彼
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ