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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第189話:神を殺す者と宿す者
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その一撃が響を消し飛ばす事は無かった。彼女が立ち上がると、次の彼女の行動を見越してプレラーティがけん玉を巨大なハンマーとして振り回しその身をゴルフボールの様に空へと向けて打ち上げていたからだ。
「行け、立花 響ッ!」
「はいッ!」
プレラーティのバックアップを受けて、一気に跳躍しつつディバインウェポンの攻撃を回避する響。これ以上進ませてはなるものかと、アダムが刃の様にエッジが鋭くなった帽子を投擲した。
「行かせるものか、神殺しッ!」
高速回転しながら弧を描き響に向け飛んでいく帽子だったが、それはカリオストロにより撃ち落とされる。得意の一撃を邪魔され、アダムは苦々しく地上のカリオストロを睨んだ。対するカリオストロは、今までにない位焦った様子のアダムを見て不敵な笑みを浮かべていた。
「な〜るほど、そう言う事だったのね。ずっと不思議だったのよ。なんであの時、アンタはわざわざ自分で出張って来たのか……」
思い出すのは風鳴機関本部を消滅させたあの時。カリオストロ達はてっきりシンフォギアか、アダムが並々ならぬ憎しみを向けている颯人を自らの手で葬り去る為に動いたのだと思っていた。
だが実際は違った。彼は別の目的があって、自ら動き全てを消し飛ばそうとしたのである。
「あの無理筋な黄金錬成は、例の小僧に向けたのではなく……」
「アンタにとって不都合な真実を葬り去る為だった訳ねッ!」
「鬱陶しいね、その賢しさはッ!」
事実を言い立てられたからか、アダムは接近戦でカリオストロ達を始末しようと動き出す。片腕を傷付けられた彼に何が出来るものかと思いながらも、カリオストロはガントレットを変形させ渾身の力を込めて殴りつける。
それをアダムは、引き千切った左腕を剣の様に使って受け止めた。引き千切られた腕もある程度は自由に動かせるのか、手が開いてカリオストロの拳を受け止めて。
「なっ!?」
まさか自分で自分の片腕を引き千切るとは思っていなかったので呆気に取られたカリオストロ。アダムはそんな彼女に腕を剣の様に振り回して攻撃し、カリオストロとプレラーティは上手い事タイミングを合わせてそれに対抗する。
「潰えて消えろッ! 理想を夢想したままでッ!」
錬金術だけでなく体捌きも達者なのか、アダムはカリオストロとプレラーティが2人で組んで掛かっても尚揺らぐ様子はない。だがこれこそが2人の狙いだった。今のアダムは焦りのあまり視野が狭まっている。彼女達はアダムの意識を自分達に集中させていたのだ。
「ふふっ! いいの? あーし達にそんな構ってばかりで?」
「あっ!?」
「そのまま行けッ! 立花 響ッ!」
気付けば響はディバインウェポンの直ぐ近くまで辿り着いていた。このままでは神殺しの一撃により、
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