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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第189話:神を殺す者と宿す者
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体へと完成する。人を超越した僕によってッ!」

 既に勝った気で、自分が全人類の支配者になったかのような気でいるアダムを前に、カリオストロが取った行動は彼の足元に唾を吐きかける事であった。

「はっ、支配? アンタに? 冗談じゃないわ。あんたみたいな奴の支配する世界なんて真っ平御免よ」
「錬金術師失格だな、君は。支配を受け入れたまえ。完全を希求するならばッ!」

 反骨精神剥き出しで尚もアダムに噛み付くカリオストロであったが、プレラーティの方は心が半ば折れかけている様子だった。その場に座り込み、スペルキャスターのけん玉を抱きしめるようにして体を支えながら俯いていた。

「全て……無駄だったワケダ。サンジェルマンの理想を叶える為の犠牲も、思想も理念も、全てが利用され……」
「だったら、それを取り戻すまででしょッ! なにこんな所でしょげてんのよッ!」

 意気消沈した様子のプレラーティを奮い立たせようとするカリオストロだったが、彼女の言葉では今一プレラーティの心を動かす事は難しいらしい。そんな2人を見て、アダムは敢えて地上に降り立ち自らの手で幕を引こうとした。

「もはやディバインウェポンを振るうまでも無いね、この幕引きには。手づから僕が始末しよう。君だけは入念に」









 今正にアダムにより響達にトドメが刺されようとしている。それを見ているしか出来ない事に、弦十郎が口惜しいと言いたげに奥歯を噛みしめた。

「有為に天命を待つばかりかッ!」

 何も出来ない自分の無力さに拳を震わせたその時、聞き慣れない声が通信で届いた。

『諦めるなッ!……あの子なら、きっとそう言うのではありませんか?』
「発信源……不明。暗号化され、身元も特定できません。ですが……これは……ッ!?」

 次の瞬間、発令所に居た者達は目を見開いた。突如正面のモニターに幾つもの文章が表示される。それが何であるか、その文章に関わっていた朔也は直ぐに気付いた。

「……解析されたバルベルデドキュメントッ!?」
『我々が持ちうる限りの資料です。ここにある”神殺し”の記述こそが、切り札となり得ます』
「神殺しッ!? それは……ッ!?」

 それは言葉通り、この場で誰もが望み、この状況を打開するに足る最大の切り札。敵の持つ力の拠り所を無力化出来れば、今の絶望的な状況を切り開く事が出来る。

 正体不明の音声の主が何故その情報を持ってこれたのか? その疑問の答えは、同じように通信を繋いだ慎次が答えてくれた。

『調査部で神殺しに関する情報を追いかけていたところ、彼らと接触、協力を取り付ける事が出来ました』

 そうして続き正面のモニターに映し出されたのは、何らかの槍を思わせる映像。その映像の隅にはそれが何で
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