暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第189話:神を殺す者と宿す者
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ギアからは、損傷を示す様に火花やスパークが散っている。そんな彼女を見下ろしながら、ティキがすぐ傍に居るアダムに話し掛けた。

「アアアダムゥゥ……ティギ……ガンバッダ……。ホホホメテテデ……」

 こんな姿になってもティキはティキなのか、相変わらずアダムに焦がれ彼からの感心を得ようとする。献身的ではあるかもしれないが、同時に鬱陶しくもあるその姿にアダムは適当な受け答えをする。

「良い子だね……ティキはやっぱり」
「ダッタラ……ハグジデヨ……ダキジメデグレナイト……。ツタワラナイヨ……」
「やまやまだよ、そうしたいのは。だけど出来ないんだ。手に余るそのサイズではね……」
「イゲズ……ソゴモマタ……スギナンダケドネ……」

 戯れているように見えて、その実アダムが適当にティキをあしらっているその下ではカリオストロが錬金術による砲撃を必死にディバインウェポンに叩き込んでいた。

「こんのぉぉぉぉっ!」

 変形したガントレットの方向から水色の光弾が次々と放たれ、ディバインウェポンの外殻を傷付けていく。圧倒的に大きさの違いがあっても、明確に削れていく様子は傍から見ていると一歩ずつではあるがディバインウェポンの破壊に繋がるのではと希望を持たせた。

 しかしその希望はいとも容易く打ち砕かれる。ある程度破壊が進むと、ディバインウェポンは複数のフィルムを重ねた様なエフェクトと共に元の傷一つない姿を取り戻した。その光景にカリオストロは舌打ちし、プレラーティは肩を落とした。

「チィ……!」
「無駄だ……あれの性能は私達が良く知っているワケダ。無駄な努力だと分かるだろ」
「だからって、諦めて溜まるもんですかッ!」

 無意味と知らされても尚カリオストロは攻撃を止めなかった。何度無かった事にされようとも、胸の内に燻る感情をぶつけるように攻撃を続ける。例え無意味と分かっていても、敬愛するサンジェルマンを誑かし嘲笑った。彼女にとって、攻撃を続ける理由はそれで充分である。

 攻撃自体は無意味であるが、攻撃され続けるのは鬱陶しいのかディバインウェポンが攻撃してくるカリオストロを吹き飛ばした。

「うあっ!?」
「ぐぅっ!?」

 圧倒的攻撃力と絶対的な防御を前に、なす術を見出す事が出来ない。それは本部で戦いの様子を見ている了子達も同様であった。特に頭のいい彼女は、あの攻防共に絶対的な力を持つディバインウェポンを前には、シンフォギアであっても対抗するのは難しいと理解せずにはいられなかったのだ。
 例え反動汚染の除去と怪我の治療が終わったとしても、立ち回り方が分からなければ意味がない。

 それを誰よりも理解しているのは、神の力を実質独り占めしているアダム本人であった。

「不完全な人類は……支配されてこそ、完全な群
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