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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第189話:神を殺す者と宿す者
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風鳴 訃堂という男の危険性を良く知っている。ここで彼の介入を許す様な事があれば、それこそ現場の響達がどんな目に遭うか分かったものではない。
 弦十郎が答えに窮していると、再度念を押す様に訃堂が問い掛けてきた。

『どうなっていると聞いておる』
「は……はい。目下、確認中であり……」

 何とかこの場は適当に誤魔化し、必要以上に動かれない様にしようと当たり障りのない報告で切り抜けようとした弦十郎ではあったが、しかし各省庁が騒ぐほどのこの事態。日本という国の暗部を司る訃堂にとっては全ての情報をリアルタイムで取得する事等朝飯前と言わんばかりに鋭い眼光を向けながら口を開いた。

『儚き者が……此度の騒乱は既に各国政府の知る所。ならば、次の動きは自明であろう。共同作戦や治安維持などと題目を掲げ、国連の旗を振りながら武力介入が行われる事が何故分からんッ!』

 それは確かにその通りだろう。特にアメリカは、自国の軍事衛星がディバインウェポンにより直接破壊されている。国連の旗を掲げずとも、アメリカであれば報復や防衛を理由に手荒な形で介入してくることが目に見えている。それはつまり他国が日本に土足で上がって来る事を示しており、防人を自認する訃堂にとって許せる事では無い。

 そうなる前に訃堂であればどうするか? それが分からない程弦十郎は能天気な頭をしていない。

「ですがッ! きっと打つ手はまだありますッ! その為の我々であり――」

 必死に訃堂を説得しようとする弦十郎ではあったが、相手側にこちらの話を聞く気は皆無であった。彼からすれば、他国に介入の口実を与えてしまった時点でS.O.N.G.の話など聞くにも値しないと考えているのだろう。弦十郎の説得も最後まで聞かず、訃堂は通信を一方的に切ってしまった。

 再びブラックアウトしたメインモニターに、弦十郎は苦虫を噛み潰したような顔になり別のコンソールについている了子も冷や汗と共に険しい表情を浮かべていた。

「マッズイわね、これは……」
「えぇ……この戦いに風鳴宗家が動くとなれば……」

 血縁である翼も険しい表情を浮かべている。彼女は特に訃堂に近い位置に居る為、その考えも手に取るように分かる。彼はきっとこう考えている筈だ。あの場に他国の介入を許す理由が存在するのなら、それを先んじて取り除いてしまえばいい。例え何を犠牲にする事があろうとも…………

 訃堂が過激な行動に映る前にこの事態を収束させねばと焦る弦十郎に、朔也からモニター回復の報告が入った。

「モニター、出ます……ッ!」

 復活したモニターに映し出された映像に、発令所の誰もが思わず息を呑んだ。そこに映っていたのは、傷だらけで地面に倒れ伏す響の姿だったのだ。









 倒れた響の
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