暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第189話:神を殺す者と宿す者
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き、その射線近くに存在したアメリカの軍事衛星を余波だけで粉砕するほどの破壊力を見せつける。

 地上への砲撃には失敗したディバインウェポンであったが、しかし自分に攻撃してきた響をそのままにするような事はしなかった。全力で殴りつけ、その反動で離れて地上に落下しつつあった響をディバインウェポンはそちらを見もせずに片腕で殴りつけ地面に叩き付けた。

「う……あぁッ!」

 響が地面に叩き付けられ、天に伸びた光線が衛星を破壊する。その光景に、カリオストロとプレラーティも慄かずにはいられなかった。

「は、はは…………マジ?」
「こんなの、サンジェルマンが居たって……」




 響達が今正にディバインウェポンの脅威を文字通り目の当たりにしている頃、発令所では数字と報告という具体的な形でその被害を目の当たりにさせられていた。

「……シエルジェ自治領から通達。放たれた指向性エネルギー弾は、米国保有の軍事衛星に命中。蒸発させたと……」
「……響君達の状況は?」

 地上から軍事衛星を蒸発させると言う規格外の破壊力を前に、朔也も冷や汗を流しながら冷静さを保とうと淡々とした報告をする。その報告に弦十郎も、努めて落ち着いた声色で自分達の状況を確認しようとした。

「先程切歌ちゃんから連絡がありました。敵の攻撃でガルド君が負傷、今こちらに向かっているそうです」
「周辺のカメラはダウンしたままです。急ぎ、別視点からの映像を――」

 全力のディバインウェポンの砲撃の余波は地上にも甚大な被害を齎していた。特に戦の様子を映してくれていたカメラへの被害は深刻であり、戦場の様子を映してくれていたメインモニターは信号を受信できなくなった事を報せる文字だけを表示していた。
 急遽生き残っているカメラから情報を得ようと朔也達がコンソールを操作しようとした時、あおいが慌ただしい様子で頭の痛くなる報告を口にした。

「司令ッ! 各省庁からの問い合わせが殺到しています」

 流石に軍事衛星が蒸発し、地上も瓦礫の山となる様な出来事が起きれば戦いとは直接関係の無い省庁も静観を決め込む事は難しいらしい。気持ちは分からなくも無いが、今それらに構っている暇はないと弦十郎はそれらの問い合わせを全て無視する事に決めた。

「全て後回しだッ! 放って――」

 放っておけと言おうとしたその時、正面のモニターに無理矢理割り込むような形で映像が映し出される。そこに映っていたのは、風鳴機関の長であり弦十郎や翼とも深い関りがある老人。風鳴 訃堂その人であった。

 彼は通信が繋がると見るや、開口一番に弦十郎に報告を求めた。

『……どうなっている?』
「……ッ!」

 正面のモニターに映し出された老人の顔に、流石の弦十郎も顔を引き攣らせた。彼は
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