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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第189話:神を殺す者と宿す者
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まるで確認する様に、噛み締めるようにその言葉を口にする。その言葉に含まれた苦みを噛みしめるように。それを聞いて、カリオストロとプレラーティの2人は本人も気付かぬ内に唾を飲んだ。
「そうとも……人でなしさ、僕は。何しろ人手すらないのだから」
「アダム……アンタ一体……?」
「まさかとは思うが、本物の代わりの偽物が今まで動いていた……何て事は……」
自分達を束ねていた局長が人形であった事が未だに信じられない様子の2人は、困惑しつつも一つの可能性を思い付いた。それは本物のアダムはとっくの昔に死んでいて、今ここに居るのは本物が自分に何かあった時の為に残していた影武者の類ではないかと。本物に取って代わった偽物が、今の今まで本物として好き放題に振る舞う。よくある話だ。
だがその可能性はアダム本人により否定される。
「違うよ、残念ながらね。僕は生まれながらにして唯一無二の存在なのさ。”彼ら”の代行者として……作られたね」
彼ら……確かにアダムはそう言った。確かに彼が人工物である人形である以上、それを作った何者かが居るのは当然のこと。ではアダムを作った彼らとは一体何者なのか、響は思わず首を傾げる。
「……彼ら?」
「だけど、廃棄されたのさ。試作体のまま。完全過ぎると言う理不尽極まる理由を付けられてッ!」
次第にアダムの言葉に熱が籠る。今までの飄々とした雰囲気は何処へやら、抑えきれない感情を溢れさせて震えるその姿は、とても人形とは思えず生きている人間そのものであった。
「ありえない……完全が不完全に劣るなど……。そんな歪みは正してやる……。完全が不完全を統べる事でねぇぇぇぇぇッ!」
「ッ!」
そのアダムの感情に呼応するように、ディバインウェポンの口内に光が集まり始めた。またさっきの様な砲撃で地上を焼くつもりだ。あんなのを何発も撃たれては、自分達だけでなく周辺に更なる被害が広がってしまう。
そうはさせじと、響は身構え握り締めた拳を今正に砲撃しようとしているディバインウェポンの顔面に叩き込もうとした。それを見て思わずカリオストロが手を伸ばす。
「ちょ、何をッ!?」
「さっきみたいのを、撃たせる訳にはッ!」
「馬鹿ッ! 幾らなんでも無茶苦茶が過ぎるワケダッ! アリがゾウに挑む様な物だぞッ!」
カリオストロとプレラーティの制止も聞かず、響は跳躍し握り締めた拳をディバインウェポンの左の頬に叩き付けた。ただの拳にしてはその威力は大きかったらしく、ディバインウェポンは顔を大きく仰け反らせ左ほおの部分の装飾が砕け散った。
「ハァッ!」
「ティキッ!」
「アゴァアァア……」
響の拳が直撃し、顔が明後日の方を向いた直後砲撃が空の彼方へと飛んでいく。地上から放たれた光の柱は真っ直ぐ宇宙まで届
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