第四話 また巡り合いその三
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「俺達の頼りになる仲間だ」
「牧野さんは僕達が保護したプレシャスを研究したりマシンの整備をしてくれているんだ」
蒼太が牧野について話す。
「そうした頼りになる先生なんだ」
「そうなんだ」
範人がそれを聞いて納得した顔になった。
「じゃあホエール先生みたいなものだね」
「そうね」
美羽も彼のその言葉に頷く。
「それが近いみたいね」
「それでですが」
アスカは真面目な顔で先生に尋ねた。
「あの聖杯というのは」
「うん、それはだね」
早速その説明に入る先生だった。
「キリストがゴルゴダの丘で処刑される時にその血を受けた杯が」
「それなんだな」
吼太はそれを聞いて述べた。
「それが聖杯なのか」
「その通り、それが聖杯なんだよ」
まさにそうだというのである。
「長い間それはモンサルヴァート城で護られていたけれど」
「何でそれが外に出ているの?」
七海はそのことを尋ねた。
「今外に」
「どうやら盗み出されたらしいんだ」
そうだというのである。
「誰かによってね」
「その誰かが問題だな」
「そうだね」
翼と仙一はそのことについて思うのだった。
「おそらくとんでもない奴だな」
「それは間違いないね」
「モンサルヴァートはね」
ヒカルが皆に話してきた。
「僕達マジトピアの人間でも容易に行けない世界にあるんだよ」
「マジトピアの人達にもって」
魁はそれを聞いて首を捻った。
「どんな世界なんだ?」
「ああ、それだったら」
ここで麗が言うのだった。
「スフィンクスに聞いてみる?」
「スフィンクスにか」
「あの人なら何か知ってるかも」
こう言うのである。
「魁はあの人呼べるよね」
「けれどそれだったら場所を変えるか?」
これが彼女の提案であった。そして魁はそれを聞いて言うのだった。
「ここでもいいけれどさ」
「ああ、別にここでもいいよ」
先生は気さくに笑って魁のその心配りをいいとした。
「それはね」
「そうですか」
「まだ聖杯の話もあるしね」
それもあるのだと話すのだった。
「それでその聖杯だけれど」
「ああ、思い出したぞ」
幸人が言ってきた。
「確かその聖杯は」
「あっ、知っていたんだね」
「ワーグナーの舞台神聖祝典劇にあったな」
「舞台神聖祝典劇!?」
「何ですかそれ」
そのものものしい題名に走輔と凌駕が思わず問うた。
「物凄い題名だな」
「ワーグナーっていったらオペラの作曲家だったんじゃないんですか?」
「いや、ワーグナーは大袈裟な男だった」
流ノ介は自分のことを置いておいて話した。
「そうした物々しい題名をつけるのが好きだったからな。それも有り得る」
「人間としてはかなり問題のある人だったけれど」
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