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星河の覇皇
第八十五部第五章 北京宣言その三十一

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「趣味人なので」
「中央政府に誘ってもか」
「そうかと」
「人の求めるものはそれぞれだ」
 キロモトはこの現実も指摘した。
「まさにな」
「左様ですね」
「富を求める人がいればな」
「地位の人もいます」
「異性や同性という場合もある」
「そして趣味も」
「人の欲は様々だ」
 その人それぞれだというのだ。
「全くの無欲という人はな」
「いないですね」
「実はな。学問や修行もだ」
「求めるもののうちですね」
「欲のな、そして伊東首相はか」
「本質的に趣味人で」
 それでというのだ。
「地位や富はです」
「あまり興味がない人だな」
「そして異性や同性にもです」
「ご主人がおられるな」
「浮気等もです」
「しないな」
「はい、そちらの欲もです」 
 アッチャラーンも話した。
「さしてです」
「そうだな、やはり趣味人か」
「茶道は免許皆伝で書道も」
 こちらもというのだ。
「五段だとか」
「かなりのものだな」
「暇があるとそういったことをです」
「楽しんでいるか」
「はい、ですから日本の首相職を終えますと」
 その任から離れると、というのだ。
「やはりです」
「趣味に没頭するか」
「そして学問も」
 こちらもというのだ。
「政治学者出身だけあり」
「励むかも知れないか」
「そうかと」
「地位や富を求める人だけではない」
 キロモトは落ち着いた声で述べた、今そのことを実感してそうしてそのうえで今アッチャラーンに話すのだった。
「だから世の中は面白いな」
「人それぞれなので」
「だからな、私もだ」
 キロモト自身もというのだ。
「求めるものがあるしな」
「家庭ですか」
「子供だ、結婚はしたが」
 それでもというのだ。
「残念だがな」
「お子さんは、ですか」
「今も得られていない、だからだ」
「養子の方を迎えられて」
「娘として育てている、愛しい娘だ」
 紛れもなくというのだ。
「私にとってな、その家庭をだ」
「これからもですね」
「守っていきたい」
「家庭ですか」
「私はいい家庭で育ったと思っている」
 キロモトは笑って自分の生い立ちのことも話した。
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