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夢幻水滸伝
第三百三十三話 アリゾナ州掌握その六

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「それがです」
「嫌か」
「抵抗があります」
「エリカちゃんとしてはか」
「ですが必要ですね」
「ああしたもんもないとな」
 風俗店もとだ、トウェインは話した。
「何かとな」
「問題が出ますね」
「そうした欲も発散させんとな」
 そうした店でというのだ。
「やっぱりな」
「そうですね、現実として」
「こっちの世界でもな」
「ああしたお店もあらへんと」
「欲はどうしても発散させなあかんやろ」
「さもないと、ですね」
「最悪の事態が起こるで」 
 トウェインは真顔で話した。
「人は食べて寝てな」
「そうしたこともせえへんとですね」
「あかん、先の二つはな」
 そのうちの一つ食欲を満たしつつ話した、ステーキだけでなく四角く小さく切った色々な野菜がたっぷりと入ったコンソメスープも飲んでサラダも食べている。
「喰って飲んでな」
「寝て」
「そうすればええが」
「最後の一つの欲は」
「発散させんとな」
「あきませんね」
「ピューリタンでもな」 
 禁欲的で知られる彼等もというのだ。
「一夫一妻でな」
「その中で、ですね」
「そうしたことするやろ」
「やはり」
「そや、それで相手がおらへんとな」
「その場合はですね」
「そうしたお店があってこそな」 
 それでというのだ。
「やっていける、そやからな」
「どうしても必要で」
「それでや」
「軍の傍にあってもですね」
「むしろ軍が運営してな」
「発散してもらいますか」
「まさか軍の狼藉を認める訳にもいかんやろ」 
 トウェインは睨む様な目になって行った。
「流石に」
「言語道断です」
「それは絶対にあきません」
 エリカだけでなくオニールも言った。
「何があっても」
「許したら終わりです」
「ソ連軍みたいにな」
 悪行で知られるこの軍隊の様にというのだ、尚戦後日本の知識人の一部は彼等を『平和勢力の軍隊』と呼んでいた。
「なるわ」
「そうですね」
「それを認めたら」
「民に洒落にならん被害与えてな」
 若し認めればというのだ、そうした行いを。
「しかも変な病もな」
「蔓延しますね」
「軍隊の中に」
「こっちの世界でもあるからな」
 そうした感染症はというのだ。
「蔓延したらな」
「それだけで戦力が落ちますね」
「それもかなり」
「そうなるさかいな」
 だからだというのだ。
「そうしたお店それもちゃんとしたもんをな」
「軍の傍にあることはですか」
「ええわ、後は将兵達に定期的に発散させて」
 パンを食べるエリカに話した。
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