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夢幻水滸伝
第三百三十三話 アリゾナ州掌握その二

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「他の場所を攻めていくんや」
「そうして勢力を拡大する」
「かつ敵の勢いを削ぐ」
「そうしていきますね」
「そや」 
 まさにというのだ。
「打てる手は全部打つのが政でな」
「戦ですね」
「戦も政の中にあります」
「それ故にですね」
「そうしてくわ、ただ今はアリゾナの掌握が目的でや」
 真剣な顔でだ、トウェインは話した。
「ニューメキシコにもメキシコにもな」
「入らない」
「勢力を及ばさない」
「そうしますか」
「メキシコはルルフォの勢力圏や、もうアレンカールの仲間になったが」
 それでもというのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「あの方の勢力圏なので」
「中立条約も結んでいますし」
「だからですね」
「そや、あそこには一切や」 
 メキシコにはというのだ。
「手出しせん、一兵たりとも入れんで」
「メキシコにはですね」
「そして領土も持たない」
「そうしますね」
「そや、そしてニューメキシコもな」
 今度はアメリカのこの州の話をした。
「オコナーの勢力圏やが」
「今あちらも一つの勢力になっていますね」
「テキサスのデリーロ様それにミズーリのオニール様と合わせて」
「それで、ですね」
「三人でやっておられますね」
「今あの連中と揉めたらあかん」
 絶対にというのだ。
「一つの勢力と戦っていてや」
「他の勢力と衝突する」
「それは避けるべきですね」
「絶対に」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「あちらにもや」
「絶対に進出しない」
「そうしていきますね」
「今は」
「あくまで三つの州にや」
 今攻めているというのだ。
「力を集中させるで」
「わかりました」
「ではそれ等の勢力には進出しない」
「その様にしましょう」
「そうする、アリゾナ掌握に専念するで」
 確かな声で言ってだった。
 トウェインは四十万の軍勢のうちの半分を割いてそのうえでアリゾナ州の各地に送りかつ彼等に先駆けて州の街や村に降る様に使者を送った。
 そしてだ、エリカとオニールも呼んで昼食の場で話をした。フェニックスの傍の街のレストランでのことだ。
「アリゾナだけやなくな」
「ネバダ州やユタ州の街や村にもですね」
「降る様に勧める使者を送りますね」
「そうするで、これまでもしてきたけどな」
 それでもというのだ。
「ラスベガスも手に入れたし」
「今戦局は私達に傾いてきている」
「そやからですね」
「その優勢を確かなものにする為にもな」
「ここは、ですね」
「そちらにさらに力を入れますね」
「そうするで、今ここで戦局の流れを完全に掴んで」
 その優勢を確かなものにしてというのだ。
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