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金木犀の許嫁
第二話 相手から来たその四

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「入れてくれます」
「そうなのね」
「お菓子も大好きです」
 白華は笑ってこうも言った。
「あちらも」
「そうなのね」
「兄は好きなものも言いませんが」
 それでもというのだ。
「私は言ってしまいます」
「普通じゃないかしら」
「いえ、忍ぶのが忍者なので」
 だからだというのだ。
「こうしたこともです」
「我慢しないといけないの」
「はい」
 こう夜空に言うのだった。
「どうしても」
「だからなのね」
「こう言います」
 そうだといううのだ。
「私も」
「そうなのね」
「それでお父さんとお母さんが」
「海外赴任するから」
「私達四人になりますが私お料理も出来ます」
 こう言うのだった。
「安心して下さい」
「そうなのね」
「はい、そして」 
 それでというのだった。
「夜空さんもですか」
「うん、家事は好きでね」 
 夜空はまたこのことに答えた。
「それで自信もね」
「おありですね」
「聞かれたらね」
 それならというのだ。
「やっぱりね、お姉ちゃんもね」
「出来ますか」
「お姉ちゃんはちょっとムラがあるかしら」
 こう言うのだった。
「お料理については」
「その時によってですか」
「他のことは安定感抜群でも」
 それでもというのだ。
「これがね」
「そうなのですね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「そのことはね」
「気を付けることですか」
「ちょっとね」
「わかりました」
「ええ、けれどまだお見合いもしてないのに」
「決まりですよね」
 白華は夜空にこう返した。
「同居することは」
「お見合いして」
「はい、もうそれは」
「何かお父さんもお母さんもそんな口調だったけれどね」
「それでゆくゆくは」
「ううん、結婚はね」 
 夜空は首を傾げさせて言った。
「ちょっとね」
「想像出来ないですか」
「ちょっとね」
 弁当を食べつつ考える顔で答えた、弁当の中身は白いご飯に鶏肉のグリルにもやしのひたしにプチトマトである。昨日の夕食の残りである。
「どうにもね」
「そうですか、ですが我が家ではです」
「お見合いしたらなの」
「代々それで決まっていました」
「結婚してたのね」
「初代の佐助様から」
 そうだというのだ。
「尚十勇士のお家全てがです」
「そうして代々続いていたの」
「薩摩藩にまで逃れまして」
 大坂夏の陣の後そうしてというのだ。
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