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金木犀の許嫁
第二話 相手から来たその三

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「ですから」
「家事を教えて欲しいのね」
「特にお料理を」
「そうなのね」
「そのことをお話したくて」
「今日一緒にって言ったのね」
「お会いして」
 そうしてというのだ。
「同居することは間違いないので」
「だからね」
「はい、それでどういった人かです」
 兄のお見合い相手で婚約することになる彼女がというのだ。
「見たくなって」
「私はこうした人間だから」
 白華に顔を向けて微笑んで話した。
「宜しくね、それを言ったら私もね」
「夜空さんもですか」
「白華ちゃんと会いたかったわ」
「私がどんな人かですか」
「知りたかったし特にね」
 さらに話した。
「お兄さんの」
「お見合い相手で婚約してですね」
「夫婦になる人だから」
「兄は無口です」
 まずはこう言った。
「大人しいです、存在感を消せます」
「存在感は忍者らしい?」
「そうですね、それで」
 さらに言うのだった。
「意地悪も暴力もないです」
「そうなの」
「お酒飲んでも変わりません」
「酒乱でもないのね」
「いじめも悪いこともしません、ただ」
「ただ?」
「基本無口で無反応なので」
 そうした性格だからだというのだ。
「誤解されやすいです」
「何考えてるかわからない?」
「お話を聞いてるのかとか」
 そうともというのだ。
「言われます、ですが」
「お話は聞いてるのね」
「いつも」
 そうだというのだ。
「それで思いやりもありますので」
「いい人?」
「ただ感情を出さないだけです」
 そうだというのだ。
「ですから」
「安心してなの」
「一緒に暮らして下さい、嫌いな食べものはありません」
 このことも言ったのだった。
「もっと言えば何でも食べます」
「好き嫌いないの」
「忍者なので」
 それ故にというのだ。
「何でも食べられる様にです」
「なってるの」
「私もです」
 白華自身もというのだ。
「そうなっています、ですが」
「ですが?」
「甘いものが好きでして」 
 そうであってというのだ。
「目がないです」
「そういえば」
 ここで夜空は白華の弁当箱を見た、そこにオレンジを切ったものや苺があるのを見てそのうえで言った。
「デザートあるわね」
「絶対にです」
「入れてるの」
「お弁当はお母さんが作ってくれますが」
 それでもというのだ。
「その時にです」
「デザートもなのね」
「私が好きなので」
 甘いものがというのだ。
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