第四章
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「本当にね」
「そうだよな」
「どうしてもね」
「あそこのフロントはね」
「オーナーさん自ら言ったそうだし」
「チームの悪口は言わないけれど」
咲はこう前置きして四人に話した。
「しかしね」
「あのオーナーそうしたところあるよな」
「もうお金は出す」
「出す時にね」
「そして世界最強のチーム目指してるし」
「普通に獲得出来たら」
バウアー、彼をというのだ。
「動くわよ」
「そうだよな」
「動かないと思わない方が凄いわね」
「ホークスのフロントは」
「特にオーナーさんは」
「そうだからね、だからね」
咲は四人に話してからあらためて明日夢に顔を向けて彼女に話した。
「若しもよ」
「ホークスに行ってもよね」
「悪く思わないでね」
「ぎりぎり許容範囲よ」
これが明日夢の返事だった。
「正直言ってね」
「そうなのね」
「若し巨人だったら」
邪悪に満ちたいや邪悪そのものであるこのチームに行くならというのだ。
「本気で切れるわ」
「あんた言ってるだけで切れてるわよ」
咲は額に青筋を立てている明日夢に告げた。
「冗談抜きでね」
「そう？」
「ええ、あからさまにね」
「まあ考えるだけで」
明日夢は否定せずに答えた。
「実際にね」
「切れるわよね」
「それはわかるでしょ」
「ホークスもあそこには色々やられたからね」
ホークスのそれも南海時代からの歴史を学べばわかる、巨人というチームは他のチームに禍を為す禍々しいチームであるのだ。
「別所さんからね」
「長嶋さんもよね」
「広岡さんも柴田さんもよ」
「強奪されたりね」
「獲得しようとしたら横から取られたり」
「巨人は汚いのよね」
「あんな汚いチームないから」
伊達に邪悪そのものではないということだ。
「工藤さん小久保さんにね」
「杉内さんホールトンさんもよね」
「あのチームのこと考えたら」
咲も額に青筋を立てて言った。
「それだけでね」
「そうよね」
「皆そうよ」
咲は言い切った。
「あのチームについてはね」
「だよな、巨人はそんなチームだからな」
「今は弱いけれどね」
「もう自分のことしか考えないで」
「やりたい放題続けてきたからね」
四人もそれはと答えた。
「だったらね」
「誰もが嫌うわよね」
「実際私達も嫌いだしね」
「クラスで好きな奴一人もいないしな」
「あのチームは獲得しないみたいだから」
明日夢はそれでと言った。
「だからね」
「まだましなんだな」
「少年にしても」
「巨人に行かないなら」
「それなら」
「それが救いよ」
こうも言ったのだった。
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