第二章
[8]前話
「そうな」
「そうなんだな」
「ただな」
溜息を出して一呼吸置いてからさらに言った。
「相手がお前か」
「考えてなかったよな」
「全くな、ただな」
また一呼吸置いてから話した。
「お前のことは知ってるからな」
「ヤクザ屋さんでも半グレでもないってか」
「いい奴だってな、菫と付き合ってもな」
そうしてもというのだ。
「悪いことにはならない、だから」
「いいのね」
「ああ、そもそも俺が駄目だっていうことか」
こうもだ、神崎は言った。
「お前等が付き合うことについてな」
「言うことないっていうの」
「ああ」
そうだというのだ。
「本当にな、だからな」
「いいのね」
「そうしろ」
強い言葉で告げた。
「二人でな」
「それじゃあね」
「じゃあな」
湯浅も神崎に言った。
「これからそういうことでな」
「宜しくな」
親友同士は微笑んで言葉を交えさせた、こうして二人は付き合う様になった。
だが後日だ、湯浅は神崎に部活の時に言った。
「あのな、まさか俺の従姉と塾で知り合ってな」
「先生と生徒でな」
「そこから付き合うなんてな」
「塾卒業したからいいだろ」
大学も一緒になりそこで話していた。
「それはな」
「まあな、しかしな」
「それでもか」
「ああ、予想してなかったよ」
「俺から告白してな」
「それでか」
「ああ、いいよな」
湯浅に真剣な顔で問うた。
「それでも」
「俺が言うことじゃないからな」
今度は湯浅がこう言った、そこにデジャブも感じつつ。
「いいさ」
「お前もそう言うか」
「ああ、それじゃあな」
「宜しくな」
二人は今度はこう言葉を交えさせた、そうしてだった。
それぞれの交際を続けていった、どちらも真面目に交際し幸せになった。そのこと自体は問題なかた。
親友の妹と付き合ってみた 完
2024・1・25
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