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第百十四話 ネットでの愚行その一

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                第百十四話  ネットでの愚行
 富美子はこの時学園の中の喫茶店で越智と一緒にコーヒーを飲んでいた、二人にとっては大事なデートの時だ。
 その中でだ、富美子はコーヒーを飲みつつ言った。
「子供の頃コーヒー飲めなかったのよね」
「苦くてだな」
「そうだったのよ」
「俺もだよ」
 越智もコーヒーを飲んでいる、そのうえでの言葉だ。
「苦くてな」
「飲めなかったわね」
「そうだった」
「子供の頃って甘くないとね」
「飲めないからな」
「紅茶は飲めたけれど」
 こちらはというのだ。
「普通にね、けれどね」
「コーヒーになるとな」
「本当に苦くて」
 その為にというのだ。
「飲めなくて皆何がよくて飲んでるのか」
「わからなかったな」
「紅茶に」
 富美子はさらに言った。
「ミルクの方がね」
「ずっとよかったな」
「今もどっちも飲むけれど」
「俺もだな、それは」
「今はこうしてね」
 角砂糖を入れたコーヒーを飲みつつ話した。
「普通にね」
「飲めるな」
「中学位からね」
 その頃からというのだ。
「缶コーヒーも飲んで」
「そこからだったよな」
「そうそう、小さなね」
「それを飲んでな」
「少しずつ慣れていったのか」
「美味く思えてきたな」
「これでお砂糖入れたらね」
 コーヒーにというのだ。
「飲めるわ」
「俺もだ、ただそのままだとな」
 ストレートではとだ、越智は難しい顔で述べた。
「俺は飲めない」
「私もよ、たっぷり入れてね」
 砂糖、それをというのだ。
「シロップだと一つ全部ね」
「入れるな」
「それで飲んでるわ」
「そのまま、ブラックで飲むのはな」
 この飲み方はとだ、越智は自分のコーヒーを飲みつつ話した。砂糖を入れた分だけの甘さがそこにはあった。
「ちょっとないな」
「そうよね」
「イタリアやフランスでもな」
「甘くして飲むのよね」
「そっちの連中が言ってるな」
 学園に来ている彼等のというのだ。
「そうだな」
「そう、ブラックでは飲まないで」
「甘くしてミルクも入れてな」
「カプチーノとかにして飲んでるのよね」
「あっちだとな」
「そうよね」
「ああ、ただ少しな」
 越智は飲みつつ微妙な顔になってこうも言った。
「お砂糖が少なかったか」
「じゃあもっと入れる?」
「そうする」 
 こう答えて実際にだった。
 越智は自分のコーヒーに格差等をもう一つ入れた、そうして飲んだが。
 ふとだ、今自分が砂糖を出してから閉じた砂糖家のカップを見て富美子に対してこんなことを言った。
「そういえばな」
「どうしたの?」
「いや、お店で馬鹿やる奴いるな」
「ああ、いるわね」
 富美子も言われて応えた。
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