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金木犀の許嫁
第一話 お見合いその七

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「全く違うでしょ」
「そうね、それはね」
「テレビも携帯もないし」
「戦国時代は」
「パソコンもないし」
「服だって違うし」
「だからね」
 その為にというのだ。
「食べものもね」
「違うわね」
「多分だけれど」 
 それでもというのだ。
「違うでしょう」
「そうなのね」
「まあ忍者部でもね」
 自分達が通っている学校のこの部活もというのだ。
「普段は文明の中にあるし」
「現代のね」
「日本のね。そんな戦国時代の」
「仮面の忍者みたいなことはないわね」
「江戸時代だと伊賀のね」
 夜空も真昼も忍者漫画の巨匠の名作達から話していった、この巨匠は中国の三国時代を描いたことで有名だがその前は忍者漫画で知られていたのだ。
「ああいうのはね」
「ないわね」
「というかあの人の漫画って」
 夜空は首を傾げさせて言った。
「お父さんが好きで」
「書斎にあって私達も読んでたからね」
「今もあるしね」
「それで知ってるのよね」
「ないでしょ」
 姉に一言で言った。
「普通に何メートルも高く飛んだり手裏剣何発も一度に投げたり」
「人間じゃないわよね」
「大谷翔平さん並に凄いってね」
「あの人忍者だったらあれ位出来そうね」
「修行したらね」 
 忍者のそれをというのだ。
「あの人の場合は」
「なれるわね」
「ええ、けれど普通の人はね」
 大谷翔平が普通ではないという前提での言葉である。
「投打二刀流なんて無理だし」
「十一・五ゲーム差ひっくり返せないわね」
「それもあの時のホークスをね」
 超巨大戦力に知将まで揃えていたがだ。
「出来ないから」
「大谷さんは特別ね」
「居合ホームラン打ったり一六五キロ投げたり」
「普通の人は出来ないわね」
「そんな人でもないと」
 そうした超人が忍者となり修行を積まねばというのだ。
「なれないわよ」
「そうよね」
「あの人は特別で」
「あの人みたいに出来るって」
「無理だから。普通の忍者の人はね」
「それなりに高く跳んで」
 間違っても何メートルも飛ばない。
「手裏剣も一発ずつよ」
「投げてるわね」
「しかもあの手裏剣ちょっと刺さったら死ぬけれど」
 その威力たるや恐ろしいものがある。
「手裏剣って歯が浅いわよね」
「苦無でもないとね」
 真冬もそれはと答えた。
「浅いわね」
「実際はサバイバルツールみたいに使ってたそうだし」
「昔で言う十徳ナイフね」
「そうであって」
 それでというのだ。
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