第五十三話 幸福その九
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「就職されてから出いいでしょうか」
「そういうことね」
ここまで聞いてだ、颯姫も理解して頷いた。
「それなら」
「はい、その時まで待ってくれますか」
「待つわ、それじゃあ」
「そうしたことも踏まえながら」
「一緒に生きていましょう」
「それじゃあ」
颯姫は笑って応えた、そうしてだった。
共にビーストを観た、ビーストはここで感情を見せたがそれがわかる颯姫は遊人に対して確かな声で話した。
「喜んでいるわ」
「まさか僕達のこと見て」
「それで」
「そうですか」
「有り難う、ビースト」
颯姫はビーストにも微笑んで言った。
「そう思ってくれて。貴方は私の親友よ」
「そうですか、では僕からもです」
「ビーストにお礼を言うわね」
「そうさせてもらいます。有り難うございます」
実際にビーストに礼を述べた。
「これからもお願いします」
「・・・・・・・・・」
やはりビーストは何も言わない、だが。
喜んでいることはわかった、二人はそんな彼を見て共に笑顔になった。
庚は夢の中で牙暁と会っていた、そのうえで彼に言っていた。
「今度議事堂に行くわ」
「そしてだね」
「姉さんと直接会うわ」
「そうするんだね」
「もう敵同士でないし」
それにというのだ。
「心配だしね」
「だからだね」
「議事堂に行って」
そうしてというのだ。
「姉さんと会って」
「お話をするんだね」
「そうするわ」
「いいと思うわ。そしてね」
「寝ている時だけでなくて」
「起きている時もね」
その時もというのだ。
「お話をして」
「姉妹腹を割って」
「そのうえでそうしてね」
「お互いにわかり合うことね」
「そうすればいいよ。君達は嫌い合っていないから」
「むしろね」
「姉妹として大事に思っているね」
「素直に言えばね。姉さんはその気持ちを表していて」
丁、彼女はというのだ。
「そして私もまた」
「本音ではそうだったね」
「ええ」
まさにというのだ。
「ずっとそうだったわ」
「だったらね」
「これからは」
「その気持ちのまま」
素直に出してというのだ。
「そしてね」
「そうしていくわね」
「それでいいと思うよ」
「それではね。僕も」
牙暁は今度は自分のことを話した。
「もうすぐ目覚めるから」
「起きた世界に出て」
「そして色々見て回るよ」
「いいことよ。ただ貴方はずっと寝ていたから」
それ故にとだ、庚は牙暁に話した。
「その分ね」
「身体が不十分でないね」
「だから無理をしないで」
そうしてというのだ。
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