外伝〜北とメンフィルの契約〜(序章終了)
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ーザンブリアの長年の問題である餓死者や凍死者を出さない為にも食料や暖房関連の支援には常に気を配っているし、正当な対価での仕事も提供しているから、ノーザンブリアの人々の生活はむしろ占領前よりは豊かになっていると聞いている。………だが、公国崩壊後の自治州発足の経緯を考えれば、ノーザンブリアの人々の独立気質は自治州だった頃のクロスベルの人々にも劣らない――――――いや、もしかしたらそれ以上なのかもしれないね。」
「なんせ占領前のノーザンブリアの経済は破綻寸前とはいえ、それでも踏みとどまっていられたのは北の猟兵達――――――ノーザンブリアの民達にとっては”英雄”のお陰で、その”英雄”達を誕生させたのもまた”ノーザンブリアの三英雄”だからな。そんな所で育った人々は例えどれだけ生活が豊かになっても、総督補佐殿の仰る通り”独立”を願う人々が多いんだと思うぜ。」
「それは………」
「………………」
自分の質問に対して答えた後口にしたパントの推測とパントの推測を捕捉したレクターの説明を聞いたリィンは複雑そうな表情を浮かべ、サラは複雑そうな表情で黙り込んでいた。
「君達の目的――――――ノーザンブリアの独立に関連していくつか聞きたい事があるからまずは全員頭を上げてくれ。」
「……何を知りたい?」
パントに頭を上げるように促されたローガンはラヴィ達と共に頭を上げてパントに続きを促した。
「仮に独立ができたとして、総督府がノーザンブリアの人々が自活できるように建造した農産物のプラントもそうだがノーザンブリアの人々の国内でも仕事で生活できるように建造したメンフィル本国へ送る為の様々な物資の開発や量産のプラントはどうするつもりなんだい?」
「無論、そのままで構わない――――――というよりも、プラント関連の現状維持はむしろこちらからも強く希望している。メンフィルから独立するとは言っても、別にメンフィルと袂を分ける事までは考えていないからな。独立後のノーザンブリアはメンフィルとは友好関係を結ぶ事を望んでいる。」
「おいおい、いくら何でもさすがにそれは厚かましくないか?」
「統治の為に様々な手間をかけたにも関わらず独立をすれば、普通に考えればメンフィル帝国でなくても建造したプラントは撤収させると思うのですが……」
パントの質問に答えたローガンの答えを聞いたレクターは呆れた表情で呟き、クレアは静かな表情で推測を口にした。
「”普通ならばな。”だが、数十年後に異世界でヨルムンガンド戦役以上の”大戦”が勃発すると確信してその”大戦”の為に準備をし続けているメンフィル帝国だけは違うのだろう?」
「!」
「あんた達、一体どうやってその件を知ったのよ?その件はハーケン会戦後に行われた西ゼムリア通商会議に参
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