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神々の塔
第五十三話 半ばを過ぎてその七

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「わし等みたいな凶悪犯には容赦せんが」
「穏やかではないね」
「同じ法治でもな」
「その法も全然ちゃうね」
「議会や選挙はあって」
 そうしてというのだ。
「言論や信仰の自由はあって人権もな」
「保障されてるけど」
「厳しいね」
「ああ、滅茶苦茶な」
「公私を分けてるにしても」
 それでもとだ、施は鱒のフライを食べつつ言った。
「極端やな」
「あまりにもやね」
「ああ、玉座で無表情で死刑を宣告して」
 エカテリーナやタゴールのことを念頭に話した、この二人が枢軸の共同統治者即ち棟梁として君臨しているのだ。
「玉座から立ってや」
「自分のお部屋に入ったら」
「別人やさかいな」
「ターリヤちゃんもで」
「あそこの他の星のモンもな」
「皆そやね」
「プライベートではな」
 政即ち仕事の場を離れると、というのだ。
「別人や」
「ええ子等で」
「自分等変わらんからな」
 連合の星の者達はとだ、施は言った。
「ほんまな」
「変わらへんね」
「そやけどな」
 それがというのだ。
「連中はな」
「全く違って」
「対立してな」
「戦もしたけど」
「それでもプライベートやとな」
 こちらではというのだ。
「贈りものさえや」
「してくれるね」
「ケーキもな」
 ロシアのそれをだ。
「それで美味かったわ」
「出来たらこっちの世界でも早いうちに仲間にしたかったな」 
 トウェインはロシアの濃いサラダを食べつつ言った、この国のサラダは他の国のそれとはまた違うのだ。もっと言えばサラダもそうであるのだ。
「今もしてへんが」
「早いうちにね」
「そうしてな」
 仲間にしてというのだ、枢軸の星の者達を。
「一緒にやっていきたいな」
「ほんまそやね」
 綾乃はウォッカのストレートを一杯ぐいと飲み干してから言った。
「あの子等も」
「ええ連中やし頼りにもなる」
「そやからね」
「是非な」
 早いうちにというのだ。
「仲間にしたいわ」
「ほんまそやね」
「あの決戦で勝てたら」
 トウェインはサラダを噛みつつ悔しそうに言った。
「それでな」
「仲間に出来てたわね」
「そうなってたわ」
「そやったね」
「サマルカンドを攻略して」
 枢軸の首都であるこの街をというのだ。
「そこからな」
「大軍をインドとロシアに向けて」
「そうしてな」
「時間はかかっても」
 枢軸の領土も広い、それで占領にはそうなるというのだ。
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