第百十三話 野球の世界は広いその九
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「もうね」
「尊敬しろとかね」
「そんなこと言うものじゃないよ」
達川は真顔で言い切った。
「人にね、自分がわかっていたら」
「そんなこと言わないわね」
「誰だって沢山間違えて失敗して」
そうしてというのだ。
「恥ずかしい思いをしてきてるから」
「そうは言えないわね」
「自分の間違いや失敗を自覚しないで」
「恥を恥を思わない」
「そうでもないとね」
「他の人に自分を尊敬しろって言えないわね」
「真顔、本気でね」
こう一華に話した。
「言えないよ、冗談でもね」
「言えることじゃないわね」
「恥を知っていたらね」
そうであるならというのだ。
「その筈だよ」
「けれどああした人は」
「若しかしたらね」
「そう言うのね」
「一体誰が尊敬出来るのか」
達川は腕を組み眉を顰めさせ口をへの字にさせて述べた。
「そんな人を」
「番長って言っていい気になって」
「暴れ回ったりしてね」
「しかも後輩の人に子供みたいないじり方したりね」
こうしたこともしていたのだ、それも多くのファンの人達を前にした感謝祭の場でそうしたことをしたのだ。
「いじめみたいな」
「そういうこともしたね」
「あれ見てね」
一華も顔を顰めさせて話した。
「私あの人嫌いになったわ」
「そうだったんだ」
「何これいじめって思って」
それでというのだ。
「昔の映像だったけれど」
「その巨人で現役だった時の」
「他には他の人の車のボンネットの上乗って壊したり」
「やったらしいね」
「最低じゃない、女遊びもしてたのよね」
「かなりね」
「言ってることも柄悪いし」
このことでも有名だった。
「いいところないわよ」
「漢気あるって言う人いるけれどね」
「いや、あれこそね」
一華は達川が今言ったことを瞬時に否定した。
「半グレの」
「ヤクザ屋さんだね」
「実際そうした人達と付き合いあったんでしょ」
「だからああなったんだよ」
「そうよね」
「入れ墨まで入れてね」
「外国だとよくあるけれど」
スポーツ選手即ちアスリートだけでなくアーチストもだ、日本に来る助っ人選手でも入れている人は多い。
「日本ではね」
「よくないことだしね」
「ヤクザ屋さんとかね」
「本当に半グレの人達が入れるわね」
「そんなものでね」
それでというのだ。
「とてもね」
「まともな人は入れないわよね」
「うん、スーパー銭湯行けないしね」
見付かればその時点で出て行く様に言われるのだ。
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