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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第188話:神の力の顕現
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と颯人さんが戦わないならカリオストロさん達も戦う必要ないじゃないですか」

 悔しいが響の言う通りだった。先程の説得で、サンジェルマンは完全に颯人の側に靡いたと言える。そんな彼女が、これ以上革命の為に動く事はもうないであろう。仮にまだ世界を変えるつもりがあったとしても、それはもっと平和的なものである筈だ。少なくとも颯人達と敵対する様な道を選ぶ事はない。
 であるとすれば、なるほど確かに響の言う様にカリオストロがこの戦いの後彼女達と戦う必要もなくなる。

 お気楽だ何だと評価を下してきた相手が、存外物事の本質を見据えている事に自分の認識もまだまだ甘いと認めざるを得なくなった。その事が悔しくて、カリオストロは響の視線から逃れるようにアダムを見据えながら口を開いた。

「あーしとプレラーティは、サンジェルマンの為に戦ってるわ」
「知ってます」
「だから、端からアンタ達と慣れ合うつもりは無い」
「はい」
「だけど…………」

 目線だけで響の方を見ながら。カリオストロが手を差し出す。その意味に気付いた響は、顔に笑みが浮かぶのを抑える事が出来なかった。

「カリオストロさん……!」
「……アンタ達がサンジェルマンの事も考えて戦ってくれるって言うなら、あーしも一緒に戦ってあげる」
「はいッ! 一緒に戦いましょうッ!」

 笑顔で差し出された手を取る響。サンジェルマンも決して満更ではないのか、口角が上がるのを抑えきれていない様子だ。それを見て取り合えずは大丈夫かと、ガルドは改めてこの状況をどう切り抜けるかを相談した。

「さて、話も纏まった所でだ……俺達はどうすればいい? アダムをぶちのめせばいいのか?」
「それも手だけど、手っ取り早いのはティキを何とかする事ね。器を壊せば、儀式その物が失敗する」
「その為には、あの人を何とかしないといけませんね」

 響の言う通り、ティキは相変わらずアダムが守っている。なかなかに堅牢な守りであり、先程から切歌とプレラーティが何度も仕掛けているが依然突破できずにいる。その様子にガルドが歯噛みしながら見ていると、カリオストロが興味深い事を口にした。

「……いえ、もしかすると今が最大のチャンスかも」
「どういう意味だ?」
「気付かない? 儀式が本格的に始まった辺りから、あの男黄金錬成をやってこないのよ。あーし達に手心なんて加える必要も無いのに、ね」

 言われてみればそうだ。儀式が始まる前こそクリスとマリアを迎え撃つ為に使おうとしていた節があるが、それ以降は全く使う様子を見せない。あれを使えばこの場の全員を一網打尽に出来ると言うのに。

「それは、あの人形を巻き込まないようにする為じゃないんですか?」
「その可能性も無くはないけど、一番考えられるのはそうするだけの余裕が無い
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