第一章
[2]次話
内科教授の意外な一面
小窪彰浩は医者である、だが五十代になって若手に道を譲る形で最近は勤務している大学病院ではなく大学で講義を行うことが多い。
痩せていて長方形の顔で穏やかな小さな目と白い左に分けた髪の毛と薄い唇を持っている。背は一七五位だ。
穏やかで紳士だと評判だ、だが。
ある日だ、彼の研究室に一人の若いスーツの男が駆け込んで言ってきた。
「小窪先生、病院に来て下さい」
「どうしたのかな」
「緊急の手術です」
スーツの男は切羽詰まった顔で答えた。
「大規模な交通事故が起きまして」
「急患それも重傷の人がだね」
「多く運ばれてきまして」
それでというのだ。
「人手が一杯で」
「それでだね」
「大学の他の先生にもお話していますが」
「僕もだね」
「来てくれますか」
「わかったよ」
小窪は穏やかな声で答えた。
「すぐに行くよ」
「お願いします」
「じゃあ皆悪いけれどね」
小窪は研究室にいた学生達に優しい声で話した。
「行って来るね」
「はい、それじゃあ」
「行って下さい」
学生達はそれならと応えた、こうしてだった。
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