第5話
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から母、そして私に受け継がれた意味を考えてしまうと……何とかしなきゃって想いが日に日に強くなってしまったんです。……ただ祖母が身を隠した事も含めて、公にはどうしてもできなくて……そしてアラミスに入学して……とある頼りになる先輩と知り合って。そのアドバイスで導力ネットを調べて……こちらの事務所に辿り着いたんです。……まさかこんな事になるなんて夢にも思わずに……亡くなる人まで出して……貴方を危ない目に遭わせて。」
「……………………ま、なんにせよ一つは無事に手に入ったわけだしな。他に7つあるらしいが、ここらで手を引いてもいいんじゃねえか?」
後悔している様子のアニエスを目にしたヴァンは立ち上がってアニエスに指摘した。
「―――――やっぱり私にとっては家族の絆でもありますから……それに本当に存在し、手記の最後にあんな事が書かれていた以上――――目は、逸らしたくないんです。――――5万ミラ、あります。何とか用意できた全額です。どうか今回の依頼料としてお受け取りください。」
ヴァンの指摘に対して自身の揺ぎ無き決意を答えたアニエスはミラ札が入った封筒をヴァンに差し出した。
「……依頼料の規定は最初に説明したはずだが?」
「えっと、怪我をさせてしまった迷惑料と思っていただければ……この先は自分一人で何とか捜してみます。もう誰も巻き込まないやり方で……あ、身の安全には気を付けますから!」
(先程その男を庇った件を考えれば全く信用できない言葉ですね……それにまさかとは思いますが、貴女と契約し、常に貴女と共にいる私の事を忘れてはいないでしょうね、アニエス……)
ヴァンの指摘に対して答えた後に口にしたアニエスが考えている今後の自分の方針を耳にしたメイヴィスレインは呆れた表情で呟いた後顔に青筋を立てて静かな表情で呟いた。
「ハッ………」
一方ヴァンは鼻を鳴らしてアニエスから封筒を取って封筒から”1万ミラ札を一枚だけを抜いた”後”残りの4万ミラが入った封筒”をアニエスに差し出した。
「え………」
5万ミラを渡したつもりが4万ミラを返してきたヴァンの行動にアニエスは呆けた声を出し
「アークライド解決事務所の基本料は1時間1000ミラで諸経費その他だ。今回、危険手当は適用させてもらうが結果的に依頼人のあんたにも手伝わせた。あまつさえ危険に晒したことを考えると成功報酬でも一万が関の山だろ。これが仕事ってモンだ――――舐めてんじゃねぇぞ、学生。」
「で、でも……すみません。わたし、やる事なす事―――」
説明をした後口元に笑みを浮かべて指摘したヴァンに戸惑った後申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「ま、あのバケモノ化といい個人的にも興味が出てたからな。追加料金ってのも違うだろう。」
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