第一章
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幼馴染みの引っ越し先
幼稚園から高校まで一緒の学校でクラスメイトになることも多かった石川徳一が引っ越しすると聞いてだ。
伊倉一紅は驚いてだ、思わず彼に問い返した。
「それ本当?」
「うん、そうだよ」
きりっとした癖のある量の多い後弥代子を短くした髪型で背は一八〇近く引き締まった身体だ、その彼が一五〇位の背で黒髪をおかっぱにしていて色白で垂れ目で童顔の彼女に答えた。二人共今は通っている高校の制服であり赤の長めの所謂セミ中ランの詰襟と濃紺のブレザーと短いスカートとリボンという服装である。どちらの制服も二人が通っている八条学園の制服の一つである。
「親の仕事の関係でね」
「そうなのね」
「そうなるから」
「引っ越すのね」
「今のお家からね」
「ずっとあんたと一緒だったわね」
一紅はここまで聞いて寂しそうに述べた。
「そのあんたがいなくなるのね」
「あっ、それは」
「引っ越し先でも元気でね」
徳一が言おうとしていることに気付かず述べた。
「そうしてね」
「だから」
「応援するから」
ここでも気付かずに言った。
「元気でね」
「ちょっとそれは」
「送別会やる?」
自分のペースで言っていった。
「そうする?」
「それはいいよ」
「いいの」
「うん、じゃあね」
それならと言ってだった。
この時は終わった、そしてだった。
徳一は一紅の近所から引っ越した、その時一紅は神戸の自宅から彼の家のところに行って名残惜しそうに告げた。
「また何処かで会ったらね」
「その時はなんだ」
「宜しくね」
「うん、それじゃあね」
「本当に元気でね」
「あの、けれど」
「身体には気を付けてね」
ここでも徳一の言うことに気付かずに言うのだった。
「そうしてね」
「そこまで言うなら」
「元気でね」
やはり名残惜しそうに告げた、そしてだった。
徳一と彼の一家を見送った、その日一紅はずっと寂しさを感じていた。
そのうえで次の日登校したが自分のクラスがある校舎に入ってだった、そこで何と徳一がいてだった。
彼のところに駆け寄ってだ、驚いて声をかけた。
「あんた引っ越したのよね」
「そうだよ」
徳一もその通りだと答えた。
「昨日ね」
「うちの学校寮があるから」
全国して世界各国から人が来る学園なのでそちらはかなり充実している学園であるのだ、そこの生徒だけあって一紅も知っているのだ。
「そこに入ったの?」
「いや、家から通ってるよ」
徳一はすぐに答えた。
「今日もそれで来たよ」
「どういうこと?」
「神戸から大阪に引っ越したんだ」
こう答えたのだった。
「この学園神戸にあるからね」
「大阪からも通えるのね」
「そう、だ
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