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邪教、引き継ぎます
第一章
7.ローレシア新国王
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がら迫ってきた。
 胸ぐらをつかみ、フォルを吊るす。人間の女性では考えられないような力だった。

「お前ら何あっさり負けてんだよ!」
「え、あっ」
「話が違うだろ!」
「うああっ」

 放り投げられ、派手に飛んで転がり、止まった先。
 またもやロンダルキアの祠の少女の前だった。

「ぅ……」

 杖を抱えてうめくフォルに対し、ふたたび小さな白い手が伸びる。

「いてて……。あ、すみません。ありがとうございます」
「あのさあ」

 向けられていたその表情はやはり、呆れ顔。

「せめて杖使って受けなって。体張って杖守ってどうすんの」
「こ、これは、大事なものですので」
「使わなきゃ意味ないでしょ」
「あ、はい」
「それ、無傷な状態だったんだよね? なら相当頑丈ってことだと思う」
「そのようですね。これは悪魔神官ハゼリオ様がハーゴン様より(たまわ)ったものです。いかずちの杖という名前だそうで」
「いやそういう話は今どうでもいいから」

 小さく白い少女は、アークデーモンとバーサーカーを一瞥し、ふたたびフォルに問いかけた。

「この状況、どうするの?」

 これも何度目かわからない、『どうする』である。

「ええと――」
「ん? 誰だそいつ。信者じゃねえな?」
「あっ、ダメです。信者ではありませんが敵ではありません。攻撃してはいけません。私はこのかたに助けていただいています」

 バーサーカーが殴りかかる雰囲気だったため、フォルが慌ててまた前に立つ。
 そして上半身だけ後ろに向けた。

「あの、ミグア様」
「様いらない」
「ではミグアさん」
「何? 名前覚えてくれててありがとう、とでも言えばいいの?」
「あ、いえ。お茶の途中だったのにすみませんが、私はこれからこの方々と話をしたいです。なので、今日は申し訳ありませんが――」
「これから話すんじゃなくて、これから一方的にタコ殴りにされるんじゃないの」
「大丈夫です。お二方とも同志なのですから」
「どうだか」
「……大丈夫です」

 少女は、フォルの仮面を見て、少し下を見た。
 そしてまた一つ、マフラーの中で息を吐いたようだ。

「あっそ。じゃあ頑張って」
「すみません。ありがとうございます」
「一つだけ言っとく。危機って立て続けに起こる。今キミが身をもって体験したとおり。そして二回で打ち止めになる保証なんてどこにもない」

 じゃ、帰る。そう言って少女はこの場を去った。






「邪魔はいなくなったか」

 少女がいなくなると、アークデーモンとバーサーカーは満を持したように距離を詰めてきた。
 口火を切ったのはアークデーモンである。

「どうせお前は下界に戻れば普通に生きて
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