第百十三話 野球の世界は広いその六
[8]前話 [2]次話
「あのまま弱いままだし」
「強くなる要素皆無だし」
「野球は巨人なんて」
「もう誰も思わないよ」
「ただのやられ役ね」
「RPGだとレベル一のね」
駆け出しの冒険者達に倒される、というのだ。
「ガラの悪い」
「雑魚中の雑魚ね」
「あそこはね」
「そうなってるわね」
「うん、あんな下らないチームが全てじゃね」
野球はというのだ。
「絶対に違っていて」
「広いわね」
「そう、世界中で楽しまれているから」
「色々な雑誌を読んでもいいのね」
「月刊ジャイアンツとか巨人系の新聞以外はね」
「そういうの読んでもね」
「北朝鮮の機関紙と同じだから」
そうだというのだ。
「これがね」
「巨人ばかり賛美して」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「そこに良心はないから」
「本当に北朝鮮と同じね」
「読むだけ時間の無駄だよ」
「うちの図書館にもないしね」
「うちの学園のね」
「全くね」
「だって有害図書だから」
達川はきっぱりと言い切った。
「巨人をよく書いた本とか雑誌とか」
「新聞もね」
「だからね」
それでというのだ。
「うちの学園にはね」
「月刊ジャンアンツとかないわね」
「巨人をよく書いた本もね」
「巨人をよく書くなんてね」
「それだけで間違ってるから」
邪悪に満ちたこのチームをというのだ。
「北朝鮮への賛美とね」
「同じだから」
「ないよ、というかずっと日本の野球はどうかしてたよ」
「巨人ばかりで」
「何かっていうとね」
一華に眉を顰めさせて話した。
「それはね」
「それじゃあ北朝鮮を持ち上げてるのと同じだし」
「間違ってたよ、巨人を叩きのめして」
それも常にというのだ、何があってもこのチームだけは徹底的に征伐しなくてはこの世に倫理は成り立たないのだ。
「踏み付けて」
「他のチームや国の野球をね」
「観るべきだよ」
「それが正しい姿ね」
「阪神もいいし」
自分達が応援しているチームをというのだ。
「他のチームもよくて」
「高校野球に大学野球に職業野球」
「メジャーに韓国に台湾にメキシコに」
「八条リーグもよね」
「そうだよ、何で巨人ばかりだったのか」
戦後日本の野球はとだ、達川は眉を顰めさせたまま言った。
「マスコミがね」
「巨人ばかりだったから」
「そう宣伝してたからね」
「おかしくなったのね」
「そうだよ、けれど今はね」
「インターネットもあるしね」
「巨人だけじゃなくなって」
多くの人がこのことを理解してだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ