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第百十三話 野球の世界は広いその一

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                第百十三話  野球の世界は広い
 クラスで友人から借りたベースボールマガジンを読んでだ、一華はクラスメイト達に言った。
「もっと阪神の記事あったらいいのに」
「いや、そう言ってもね」
「野球って阪神だけじゃないから」
「十二球団あるし」
「高校野球も独立リーグもあるし」
「メジャーもね」
「企業とか大学もあるし」 
 一華も言われて気付いた。
「色々あるわね」
「八条リーグだってあるし」
「台湾でも韓国でもプロあるし」
「キューバでもね」
「ドミニカとかメキシコも凄いでしょ」
「そうね、だから阪神だけじゃないのね」
 しみじみと思ったのだった。
「そうね」
「阪神なら月刊タイガースあるでしょ」
「新聞だとデイリーね」
「どっちも阪神の為にあるからね」
「そっち読んだらいいわ」
「そうね、阪神はね」
 一華もそれはと応えた。
「そっちよね」
「そうでしょ」
「だから読んでいってね、どうしてもっていうんなら」
「阪神だけ読みたいならね」
「そうするわね、デイリーいいわね」
 特にとだ、一華は心から思って言った。
「もう絶対に阪神褒めるから」
「悪いこと言わないからね」
「負けてもね」
「例え何があっても」
「神よね」
 一華は確かな声で言った。
「デイリーは」
「悪意ないしね」
「他のチーム貶めないし」
「そこがまたいいのよね」
「本当に」
「何かね」
 ここではだった。
 一華は眉を急に顰めさせた、そうしてそのうえでクラスメイト達に対してこんなことをいたのだった。
「タブロイド紙ってあるでしょ」
「夕刊とか日刊とかね」
「よく如何にも品性や知性のなさそうな人が読んでるわね」
「電車の中とかで見ていたら」
「そんな新聞よね」
「ああしたのって自分達が気に入らないと」
 そうした対象はというと。
「徹底的に貶めるのよね」
「あることないこと書いてね」
「それで誹謗中傷して」
「もうやりたい放題で」
「適当なこと書いてるのよね」
「悪意全開でね」
 それで以てというのだ。
「書くのよね」
「そうなのよね」
「そこがデイリーと違うのよね」
「デイリーは巨人でもけなさないで」
「ただ阪神を褒めるけれど」
「タブロイドって自分が好きっていうか」
 一華は自分の言葉をこう訂正した。
「諂ってる相手はね」
「無茶苦茶な記事書くわよね」
「何があっても賛美する」
「北朝鮮のそれみたいな」
「そういう記事書いて」
「嫌いだとね」
 それならというのだ。
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