第二章
[8]前話
沙友里は髪の毛を染めることを忘れた、そしてだった。
黒髪に戻ったがその彼女を見て友人達は驚いた。
「えっ、嘘でしょ」
「完全に別人じゃない」
「黒髪になったら」
「全然違うわよ」
以前は派手だったが今は清楚になった彼女を見て驚いた。
「前はもうかなり積極的な感じで」
「遊んでるって風だったのに」
「黒髪になったらね」
「もう大和撫子」
「清楚系女子じゃない」
「いや、自分でもね」
沙友里自身戸惑いつつ答えた、服装はそのままでも確かに別人の様であった。
「ここまで変わるなんてね」
「思わなかったのね」
「黒髪に戻しただけで別人みたいになるって」
「そうだったのね」
「ええ、嘘みたいにね」
自分でもこう言うのだった。
「思えるわ」
「そうよね」
「いや、まさかそこまで変わるなんて」
「髪の毛だけでね」
「考えてみれば凄いわ」
「そうね、けれど染めるのも手間かかったし」
沙友里は友人達に微笑んで述べた。
「傷まないしこれはこれで気に入ったし」
「このままいくのね」
「そうするのね」
「黒髪のままでいくのね」
「そうするわ」
笑顔で答えた、そうしてだった。
沙友里はずっと黒髪で通した、すると周りからは大和撫子系の可愛い娘と言われる様になった。しかし。
ある人に自分の金髪時代の画像を見せると仰天されたのだった。
「嘘、別人!?」
「昔は金髪にしてたの、私」
「いや、今のあんたとね」
今の沙友里を実際に見ての言葉だ。
「別人だけれど」
「それがこの通りよ」
「黒髪に戻したらなのね」
「こうなったのよ」
「そうなのね、髪の色だけで本当に違うのね」
「その時そう言われたわ」
見事な奇麗な黒髪でだ、沙友里は応えた。見ればその黒髪は枝毛なぞなく光沢さえあった。その黒髪を見せている彼女は確かに別人の様であった。
金髪を黒髪に戻すと 完
2024・1・17
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