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夢幻水滸伝
第三百三十一話 牽制の為の進軍その十

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「カーソンシチーの守りは固めなあかんし」
「このラスベガスへの備えもです」
「そちらも必要です」
「州の北部のことも気になりますが」
「それでもです」
「北部は今は放棄するしかない」
 スタインベックは苦い顔で述べた。
「わいの性分やないが」
「守りに徹する」
「カーソンシチーとラスベガスにおいて」
「そうするしかないですね」
「そや」
 まさにというのだ。
「それしかないわ」
「左様ですね」
「今はそれしかないですね」
「どうしても」
「イーリもな」
 この街もというのだ。
「そうするしかないわ、ただな」
「ただ?」
「ただというと」
「どうされましたか」
「エリカちゃんは北部を掌握したらや」
 他ならぬネバダ州北部の掌握を進めている敵の星の者の彼女のことを話した。
「ユタの方に援軍を送ってな」
「そうしてですか」
「あの州を攻めておられるオニール様の援護をされますか」
「そうされますか」
「自分自身が行くかも知れん」
 エリカ自身がというのだ。
「そうしてな」
「そうですか」
「ではソルトレークシチーは危ういですね」
「キャノン様が籠城されていますが」
「州全体の兵を集めて援軍を向かわされていますが」
「そや、それからカーソンシチーを攻めるやろ」
 ソルトレークシチーの件が終わってからというのだ。
「そうなるとな」
「ソルトレークシチーですか」
「あの街での攻防が重要になりますか」
「今は」
「そや、わいも迂闊に動けんが」
 またこの状況であることを話した。
「それは今現在の状況でのことや」
「今の、ですか」
「それに過ぎない」
「では状況を変える」
「そうされますか」
「こっちの兵は少ない」
 スタインベックはこの状況を指摘した。
「相手と比べて圧倒的にな」
「はい、それがです」
「何と言っても問題です」
「今の我々にとって」
「兵が少ないことが」
「装備の質もですが」
「守れる場所は限られてる、それやとや」 
 そうした状況ならというのだ。
「もう守る場所を限るか」
「そうしますか」
「この度は」
「では守る場所を決め」
「そこに兵を集中させますか」
「イーリから兵を下げて」
 まずはこの街のことを話した。
「そしてリーノやトーノッパからもな」
「兵を下げる」
「そうするのですか」
「カーソンシチーとラスベガスに集結させる」
 それぞれの街から退けさせた兵をというのだ。
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