最終話 素敵な想い出その十四
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「だからね」
「果物位はいいのね」
「そうでしょ、だからね」
「愛さくらんぼ食べていいのね」
「咲ちゃんもね。親子で食べてね」
「親子で。さくらんぼって房になってるのもあるし」
咲はここでさくらんぼの形を思い出した。
「二人で一個ずつなのね」
「咲ちゃんと旦那さだん、旦那さんと花ちゃんでね」
「私と花もなのね」
「一緒になのね」
「食べたら?」
「まさかお姉ちゃんそれ狙って」
「狙ってないわよ、たまたま安かったからね」
経済的な理由でというのだ。
「それでなのよ」
「選んだの」
「けれどそれが家族の親睦を深めることになるならいいでしょ」
「そうね、それじゃあ」
「そう、一家でさくらんぼ食べてね」
「そうするわね」
「お父さんはいいからな」
「お母さんもね」
両親は娘に笑顔で告げた。
「一家で食べなさい」
「仲よくな」
「三人でそう言うなら」
咲もここで遂に頷いた。
「私達でいただくわね」
「そうしてね、家族で仲良くずっと過ごせたらね」
「それに越したことないわね」
「人生何かとあるけれど」
それでもというのだ。
「仲良くずっと過ごせたらね」
「一番ね」
「家族大切にしてね」
愛は咲ににこりと笑ってこうも言った。
「私もそうしてるつもりだけれど」
「お互いにそうしていくのね」
「そうしていきましょう、じゃあね」
「ええ、またね」
「今度は二人で何処かに行きましょう」
笑顔で話してだった。
愛は自分の家に帰った、その彼女を見届けるとだった。
咲は花に顔を向けた、そうして微笑んで言った。
「カレー食べ終わったらね」
「さくらんぼね」
「それも食べましょう」
「それじゃあね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「二人で一個ずつね」
「食べるのね」
「そうしましょう、それでこれからもね」
「皆仲よくなのね」
「過ごしましょう、色々あったしあってこれからもあるけれど」
それでもというのだ。
「皆でね」
「仲よくなのね」
「暮らしていきましょう」
「そうだね、僕の職場も何があるかわからないけれど」
夫も言ってきた。
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