第百十話
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第百十話 動物園の生きもの達
動物園の中には色々な生きもの達がいる、タロとライゾウはその彼等を観て回ってこんなことを言った。
「いいね、何度か来てるけれど」
「見所満載でな」
「いつも勉強になるよね」
「生きものについてな」
「左様、動物園や水族館は学問の場所じゃ」
小田切君と共に二匹と一緒にいる博士が答えた。
「ここはな」
「観て回って」
「楽しみながらか」
「生きものについて学ぶ」
「そうした場所なんだな」
「左様、学問は楽しむものじゃ」
博士は二匹にこうも答えた。
「だから象もキリンも観てな」
「シロクマやペンギンも」
「蛇や鰐もか」
「何でも観るのじゃ、ここは日本有数の動物園じゃ」
それだけの生きものがいて設備も整っているというのだ。
「だから存分にな」
「観て回る」
「そうするんだね」
「そうじゃ、そしてじゃ」
博士はさらに話した。
「学問を楽しまぬ様ではな」
「学問じゃない」
「博士の考えではそうだよな」
「左様、わしは楽しんでおる」
実際にとだ、博士は答えた。
「どういった学問もな」
「それで今日はだね」
「おいら達を連れて来てくれたんだな」
「一緒に学ぼうと思ってな」
「そういうことだね」
「それはいいな」
「感謝してくれたら嬉しい、それにじゃ」
博士はふと遠い目になってこうも言った。
「ここは歴史も学べるからな」
「歴史もですか」
今度は小田切君が言ってきた。
「ここで学べるんですね」
「わしも残念に思っておることじゃ」
「まさかと思いますが」
「わかった様じゃな」
「ここも歴史が長いですからね」
「まあそれは後でな」
「観ますね」
「最後にな、まずは楽しもう」
「学問を」
「生きもの達を観て回ってな」
こう言って小田切君とタロにライゾウを案内して進んでいく、動物園の生きもの達はそれぞれのコーナーの中で平和に暮らしている。
第百十話 完
2023・10・27
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