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第五十二話 祝宴その一

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                第五十二話  祝宴
 天の龍達は戦いが終わり宴に入った、洋館の食堂でだ。
 和漢洋の様々な料理と酒を前にしてだ、まずは乾杯をして。
 飲んで食べはじめたが空汰がここで言った。
「よかったわ」
「戦いが俺達の勝利で終わってか」
「それもあるけどな」
 神威に応えて言うのだった。
「何よりも皆生き残ったやろ」
「そのことがか」
「一番嬉しいわ、さっきじっちゃんに電話で連絡したらな」
 高野山の星見の僧正にというのだ。
「もう星見で知ってたらしいわ」
「そうだったのか」
「それを言われてな」
 電話の向こうの彼にというのだ。
「最初驚いたって言うてたわ」
「そうだったか」
「そやけどよかったってな」
「言ってくれたか」
「ああ、運命は変わったってな」
 その様にというのだ。
「じっちゃん言うてくれたわ」
「それは何よりだな」
「それで皆な」
「生き残ってか」
「こうして集まれたことがな」
「最も嬉しいか」
「ほんまな。まあ皆怪我してるけどな」
 空汰はテリーヌを食べつつ話した、他にはマリネにカルパッチョ、蒸し餃子に寿司、唐揚げにナゲットにサラダにボイルドベジタブルにフラシそしてローストビーフ、サンドイッチにフルーツにケーキがある。
「生きてて何よりや」
「そうです、それが一番です」
 征一狼も言った。
「まことに」
「そうですね、皆生きてて」
「何よりです、そしてです」
 そのうえでと言うのだった。
「こうして集まってです」
「飲んで食べて」
「戦いが終わったお祝いが出来て」
 そしてというのだ。
「まことにです」
「何よりですね」
「ほんまよかったです」
「それでだけれど」 
 今度は昴流が言って来た、右手には日本酒を入れた杯がある。
「実は僕の目は」
「どうしたのかしら」
「さっきクランプ病院から学園の方に連絡が来て」
 こう火煉に話した。
「そしてです」
「そのうえでなのね」
「アイバンクに姉さんの目があって」
 それでというのだ。
「角膜を移植してくれて」
「治るの」
「そう言われました」
「よかったわね」
「そして手術費も」
 これもというのだ。
「星史郎さんが用意してくれていて」
「お金の心配もないのね」
「そうらしいです」
「よかったわね」
 火煉はその話を聞いて笑顔で述べた。
「貴方はね」
「はい、姉さんと星史郎さんに」
「ずっと大事に思われていたのね」
「そうです、そして二人のことを胸に」
 そのうえでというのだ。
「僕はこれからは」
「前を向いてよね」
「進んでいきます」
「そうすることね」
 火煉も微笑んでよしと答えた。
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