第3話
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製品のお店ができたと聞いています。」
「オーバルカフェってヤツだな。ちょうど目の前だ。」
アニエスの話に答えたヴァンはアニエスと共に目の前にあるカフェの上にある街頭ビジョンに視線を向けた。
「街頭ビジョンか……2、3年前には無かったんだが。すっかり馴染んでやがる。目まぐるしいったらありゃしねえ。」
「ふふっ、確かに。」
ヴァンの感想にアニエスが苦笑しながら同意すると街頭ビジョンに映像が映った。
18:45になりました。この時間のニュースをお伝えします。本日15時、ヴァンタイユ地区総督府でグラムハート総督が定例会見を開きました。
アナウンサーがニュース内容を話し続けると映像に北カルバード総督――――――ロイ・グラムハート総督の映像が映った。
主な内容は、クロスベル中央政府並びに皇家からの援助金が年内に終了することについての今後の見通しです。
2年前、クロスベル中央政府と皇家の方々は北カルバードの発展の為にその寛大な心で莫大な援助金を支援してくれました。この支援によって、侵略戦争によってクロスベルの領土として併合された事によって遠くなったクロスベルと北カルバードの距離も近くなったと言えるでしょう。そして現在、我が州と中央であるクロスベルは、カルバードにとってかつての好敵手であったエレボニアとのかつてないほど平穏な関係を築くに至っています。その礎となった援助金が年内に終了するにあたり、景気低迷を案じる声もありますが、全くの杞憂です。
二年に渡る経済成長、資本の蓄積、技術革新派北カルバードを大陸最大の州へと成長させました。また、中央政府や旧エレボニア領側である東ラマール州もより発展しているとの事です。もはや我々を上回る国家はクロスベル帝国の盟友たるメンフィル帝国を除けば存在しえない――――ですが当然、その状況に慢心はできません。
ゼムリア大陸を、世界を主導する立場として今後はエレボニアも含めた大陸諸国を導く事こそが……
「……ロイ・グラムハートか。色々強引みたいだが、実際大したタマだな。就任一年目にしてGDPは元エレボニア帝国領であり、今ではエレボニアに加えてメンフィルとも取引をしている東ラマール越え――――――今年に入ってからも大幅に上回る勢いとは。」
「……そうですね。経済のみならず、様々な分野で大胆な施策を出しているみたいです。」
グラムハート総督の演説を見つめながら呟いたヴァンの感想に頷いたアニエスは静かな表情で話を続けた。
「まあ、前のロックスミスの方が地に足をついていたとも言えるが……――――――政治講義はさておき、とっとと向かうとしよう。何せこのあたりは商売敵の本拠地もあるからな。」
「え………」
ヴァ
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