第3話
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うとしている事にアニエスは戸惑いの表情を浮かべながらヴァンに訊ねた。
「昼間の時点まではな。――――――だが”二人組”の背景を考えると流石に一線を引かざるを得ない。」
「あの人が言っていた……”A"という?」
「ああ、ここ最近、各方面から警戒されてる連中だ。それも警察やギルドだけじゃねえ……他の犯罪組織やら猟兵、果ては政府や皇家などからもな。」
「……!」
ヴァンの話を聞いたアニエスは相手の背景の凶悪さに目を見開いた。
「仮にそいつらだった場合、あんたを連れて立ち回れる自信はない。だから――――――そういう事だ。」
「……………………」
(自身の能力を正確に判断した上で、依頼者の身の為の警告もする………”裏”に属する人間の割には良心的な方でしょうね。)
ヴァンの言葉にアニエスが辛そうな表情で顔を俯かせて黙り込んでいる中、メイヴィスレインはヴァンの評価をしていた。そして地下鉄が駅に到着するとアニエスは駅に降りたと思われたが――――――
「……………………おい。」
何と地下鉄が駅から出発してもアニエスは駅に降りていなく、アニエスの行動にヴァンは真剣な表情で声をかけた。
「ごめんなさい……我儘を言って。でも――――――あの捜し物は私にとっては”絆”、なんです。ひいお祖父ちゃんじゃなく……お母さんや、お祖母ちゃんとの。……ううん、それだけじゃなく……人が一人、亡くなって……足手まといかもしれないですけど。それでも――――――自分の目で、足で最後まで立ち会って見届けたいんです。安全には最大限注意します……どんな指示にも従えるように備えます。ですから……駄目、でしょうか?」
(フフ、偶然はいえ、どうやら私は人間の中でも稀にしかいない芯の強さの持ち主と契約したようですね。)
「……………………しゃあねえ、依頼人はあんただ。獲物にアーツもそれなりに使える。まったくの足手まといでもねえしな。」
アニエスの決意にメイヴィスレインが満足げな笑みを浮かべている中、アニエスの決意の表情を目にしたヴァンは驚きの表情を浮かべた後諦めた様子でアニエスの同行を許した。
「……!」
「だが、てめえの安全を最優先しろ。俺の指示にも即座に従ってもらう。守れない場合は契約終了だ――――――いいな?」
「はいっ…………ありがとうございます!」
ヴァンの警告と指示にアニエスは頭を下げて力強く答えた。
18:44―――
〜七区・イーディス中央駅通り〜
「……日も暮れたか。イベントでもないのに相変わらず人が多い場所だぜ。」
「旧首都の玄関口で老舗デパートなんかもありますから……最近だとカフェが併設された、お洒落な導力
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