第3話
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気づいたか。俺達が悲鳴を聞いてあの整備室に乗り込んだ時――――――殺られたばかりのジャコモの遺体しか現場には見当たらなかった。だが――――――実際には居たわけだ。あの場所でジャコモを待ち伏せてその喉を掻き切り……俺達の脇を偽装機能でまんまとすり抜けて離脱した連中がな。」
「……………………」
ヴァンの話を聞いて殺人犯が自分達の近くに潜んでいたという事実にアニエスは表情を青褪めさせた。
「大胆不敵な連中よねぇ。どう考えても只者じゃないでしょう。どこかの猟兵か、それとも……………………まあ、”目的のブツ”を奪い返した以上、もう足取りも追えなさそうだけど。」
「いや、そうでもねぇぜ。」
「え。」
自分の推測をヴァンが否定し、それを聞いたベルモッティが驚いたその時ヴァンのザイファから通信の音が聞こえた。
「流石に仕事が早いな。」
音に気づいたヴァンがザイファを取り出して通信を開始するとザイファに褐色の青年が映った。
「ここ数年のヤツの拠点を送った。監視カメラのログ付きだ。」
「サンクス、これで例の貸しはチャラにしてやるよ。」
「フッ……ちなみに昨日の時点でどこかの団が動いている気配はない。せいぜい気を付けておけ。」
「そうか………借り一つだ。」
「今の方は……」
「そっか、ジャコモのオジサン、他にも隠れ家を確保していたわね。するとブツはそちらの何処かに?うーん、でも猟兵じゃないとすると……――――――ってそれよりヴァンちゃん!ディンゴちゃんにも頼んでたのねっ?アタシという彼女(情報屋)がありながらイケズなんだからっ!」
ヴァンが青年との通信を終えるとアニエスは不思議そうな表情を浮かべ、ベルモッティは納得した様子で呟いた後わざとらしく悲し気な様子でヴァンに指摘した。
「ハッ……悪いが節操はないんでな。」
ベルモッティの言葉にヴァンは軽く流した。そしてヴァンがアニエスと共に店を出ようとしたその時、ベルモッティがヴァンを呼び止めた。
「ちょっと待ってヴァンちゃん。ヴァンちゃんなら、”中央”がメンフィルと合同で立ち上げた例の”合同捜査隊”についても既に耳にしているのでしょう?」
「ハッ、流石に耳が早いな………情報源はもしかして”アイツ”あたりか?」
「正解♪」
「……?あの、”中央”というのはこの北カルバード州を治めている”総督府”を設置したクロスベル帝国の中央政府や皇家の事ですよね?」
二人の会話内容が気になったアニエスはヴァンに二人に確認した。
「ああ。――――――知っての通り3年前のヨルムンガンド戦役の少し前にメンフィル・クロスベル連合によってカルバード共和国は電撃的な早さで占領され、そして二帝国の領
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