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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第七十七話 協調
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氏に協力を要請しよう”

「ああ、そういえば彼は行政府長官になったのでしたね」

“お前さんが直接頼んだ方が早いかも知れんぞ。無論此方からも要請はするが”

「分かりました。後程連絡を取ってみます」

“軍属を雇うって事はアムリッツァに寄るんだろう?何時だ”

「そうですね…本隊と合流後ですから…十四日には着くと思います」

“了解した。待っているぞ”

 通信は切れた。その通信が切れるのを待ってすかさずオットーが質問を口にした。
「軍属を雇うのか?」
「ああ。彼等にはアムリッツァの現状を宣伝をしてもらおうと思ってさ。同盟と仲良くしても損はないと思ってもらわないといけないし。草の根運動だな」
「それで味方につけて占領しやすくするって訳か」
「占領?占領してどうするんだ」
「どうするってそりゃあ…」
オットーは言葉に詰まってしまった様だ。そりゃ詰まりもするだろう、この草の根運動は帝国艦隊の誘引し、同時に同盟と境を接する帝国辺境の星々を味方にする為…としか上層部にも説明していないからな。トリューニヒトにしろシトレ親父にしろ、後日占領する時の為の布石としか思ってないだろう。
「じゃあ…逆通商破壊作戦は、アムリッツァの様に辺境星系を占領して経済開発を進めて、帝国との戦争を有利にする為…じゃあないのか?」
「有利に進める為、っていうのは間違いない。艦隊と合流したらきちんと説明するよ」
「何で最初からちゃんと教えてくれないんだ?」
「本当の目的を話したら反対されると思ったからさ。シトレ長官や国防委員長にも帝国の兵力を誘引する為、帝国領への進攻を容易にする為、としか説明してないからな。ヤン参謀長すら知らないんだ」
「敵を欺くにはまず味方から、ってか。もしそうだとしてもせめて俺達には話してくれよ。俺もマイクも、お前を支えるって決めて此処にいるんだぞ。秘密は無しだ」
オットーの顔は真剣だった。本当に少し怒っている様だ。
「悪かったよ、この通りだ。謝るよ」
「了解、だ…で、この後は艦隊に合流するんじゃないのか」
「そうだ。キンスキー少尉、グラディウスと回線を。FTLで」
「了解致しました」



帝国暦485年4月11日09:00
キフォイザー星系、銀河帝国、銀河帝国軍、ヒルデスハイム艦隊旗艦ノイエンドルフ、
ラインハルト・フォン・ミューゼル

 「大丈夫でしょうか、マッケンゼン艦隊は」
「ヴィーレンシュタインから先へは行くなと厳命してある。私だけではなくミュッケンベルガー長官からもだ。大丈夫だろう」
「そうだとよいのですが」
ヒルデスハイム伯は大笑いしている。
「参謀長になってえらく心配性になったなミューゼル少将。私はともかく長官の命は破らんだろう。もっと味方を信用する事だ」
「はい」


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