暁 〜小説投稿サイト〜
星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第七十七話 協調
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いう。基幹兵力四個艦隊という編制もやはり昨年の戦いから導き出された数字だった。四個艦隊六万隻で支え、イゼルローン要塞からの四個艦隊六万隻を機動兵力として活用し、来寇した帝国軍を包囲殲滅する…という方針だった。そして新領土を除く同盟国内に残り四個艦隊が存在し、この四個艦隊毎のタスクグループがローテーションして休養と任務に当たる様になった。半年イゼルローン要塞、半年アムリッツァ、半年同盟本土で休養と整備…という訳だ。ウチの第十三艦隊を含めると基幹十三個艦隊、特別編成のイゼルローン要塞駐留艦隊…で十四の艦隊がある事になる。

“おう、久しぶりですな司令官閣下”

「やめて下さいよ、キャゼルヌ司令。少し相談が」

端末の画面にはキャゼルヌ少将が映し出されている。アムリッツァ基地の初代司令に任じられたのはキャゼさんなのだ。キャゼさんが任じられたのには理由があった。まず実戦経験豊富で補給任務に造詣が深い事。アムリッツァ基地はカイタルへの補給計画に関わる事が多く、計画立案だけでなく計画実行能力も高い補給士官が望まれたからだった。そして汚職とは無縁な事…という理由が挙げられる。実戦経験も求められたのは、アムリッツァ基地が前線だからだ。戦闘が予想される宙域での補給任務は、後方では想像もつかない物やある程度の実戦経験者でないと必要だと分からない物も品目に挙げられたりする。その必要性を説明しスムーズに補給計画を計画、実行出来る将官となると数が限られてくるのだ。その上キャゼさんは基地司令就任前まで人員削減推進室の室長として後方勤務本部に居たから、様々な企業にも顔が利いた。今ではアムリッツァにも色んな企業の現地法人が進出している。経験豊富で清廉、軍に物品を納入している企業とも搦め手の交渉が出来る補給畑の将官…という事でキャゼさんに白羽の矢が立ったのだ。

“なんだなんだ、悪巧みか?“

「行政府にお願いして欲しいのです。軍属を雇いたいんですよ」

“軍属?何をさせる気だ”

 俺は現在遂行中の作戦を説明した。キャゼさんは単にアムリッツァ基地司令だから、逆通商破壊作戦については知らされていない。この作戦は表向きには帝国の哨戒網の穴を見つける隠密作戦となっているから、逆通商破壊という目的を知っているのはトリューニヒト、シトレ親父、ルーカス親父だけだ。

“逆通商破壊だと?そんな事をやっていたのか。全くお前さんは……了解した。単なる荷役作業員という事でいいんだな?”

「出来れば、そのまま同盟軍人として任官してもいい、同盟軍人として働きたい、という様な人達がいいですね」

”何故だ?“

「そのままウチの艦隊に居てもらえれば、私が何をしようとしているのか彼等にも判る筈ですから。ただの軍事作戦ではないので」

“そうか…了解した。カイザーリング
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ