敢闘編
第七十七話 協調
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
る程ね。しかしいつまで続ける気なんだろうか」
「どうなんだろうね」
「聞いてないのかヤン…お前参謀長なんだぞ?」
そう、いつまで続ける気なのだろう。この作戦は始めたばかりだが、いずれ帝国に気付かれるのは目に見えている。帝国の哨戒網をくぐりながらの隠密作戦…。帝国は必ず我々を叩く為に艦隊を派遣するだろう。きちんと本意を聞いておくとしよう…。
4月7日11:30
ボーデン宙域(アムリッツァ方面)、自由惑星同盟軍、第十三艦隊旗艦グラディウス
ヤマト・ウィンチェスター
「報告は以上です。本部長への報告は此方から行った方がよろしいでしょうか?」
”そうだな…私からも報告するが、貴官からも報告した方がよいだろう“
「了解致しました」
“貴官の発案とはいえ地味で地道な任務だ。よろしく頼むぞ”
「判っております。では」
ルーカス司令長官の姿が画面から消えた。確かに地味な任務だ…。
「司令官、では今仰っておられた穀物プラント十基、農地用トラクター百台、土壌改良キット二十基、採掘用機材五基、各機材の使用法の為の指導員百名、貨客用に改造した巡航艦十隻の手配をイゼルローン要塞補給支部に要請します」
「頼む、キンスキー少尉…ああ、あとアムリッツァ基地司令と超光速通信を繋いでくれるかい」
「かしこまりました」
アムリッツァ駐留軍司令部は昨年の帝国軍とのフォルゲン宙域での大規模な戦闘後解体され、自由惑星同盟軍アムリッツァ基地と名を変えた。任務も以前と異なっている。アムリッツァ基地への組織改編と同時に行政府が置かれたので、その行政府への治安維持の支援、後は駐留している各艦隊への福利厚生業務が主な任務になっている。解体された駐留軍司令部は再編されたものの、第四惑星カイタルに移された。駐留艦隊の編成も変更されている。基幹四個艦隊となり以前の七個艦隊から削減された。じゃあ残りの三個艦隊がハイネセンに引っ込んだのかというとそうでもない。以前あった三個艦隊は一個艦隊増勢され、四個艦隊がイゼルローン要塞に駐留している。何故こうなったかというと、やはり昨年のフォルゲン宙域での戦闘が要因だった。アムリッツァは根拠地としての能力が低すぎたのだ。ただ駐留している分には構わないが、いざ大規模な戦闘が起こると後方基地としての能力がパンクしてしまう。それに民間人も多い。元からの同盟市民、それに新しく同盟市民になった者も多数居る。同盟軍が多数出撃していく様を見るとパニックやそれに乗じたデモやテロ行為が起きるのではないか、と危惧されたのだ。それで民間人の少ないカイタルを駐留軍の本拠地にしようという案が出され、現在に至っていた。カイタルには現在、大規模な同盟軍の基地が建設中だった。将来的には十個艦隊の駐留に耐えられる規模の基地が出来上がると
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ