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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第七十七話 協調
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いだろう?」
「まあそうなんだけどさ…メタリックレッドとか目立ちすぎないか?」
俺とオットーが使用しているのはハンニバルという戦艦だけど、色を決めたのは俺じゃない。ハンニバルの艦長だ。どうせ塗り変えるなら好きな色がいいという事でこんな派手な色になった。他の擬装商船も同じ様に色んな色に塗り変えられている。
「各艦の事は艦長の権限さ。俺が口出しする事じゃないよ」
「まあな…しかし、艦隊は大丈夫かな」
「ヤンさんとラップ中佐に任せてある。大丈夫さ」
艦隊司令部のスタッフが逆通商破壊に従事している間は艦隊の指揮をヤンさんとラップ中佐、あとフォークに任せてあった。ヤンさんなら無理はしないだろうし、なにかあっても必ず助けてくれるだろう。



4月1日18:00
ヴィーレンシュタイン星系外縁(ボーデン方面)、自由惑星同盟、自由惑星同盟軍、
第十三艦隊旗艦グラディウス
ヤン・ウェンリー

 「しかし逆通商破壊なんて…司令官はとんでもない事を考え出すものですな」
「ああ…ラップ、私とお前だけなんだ、いつも通りでいいよ」
「そうか?…司令官は本気で帝国に勝とうとしているんだな」
「どうしてそう思うんだい?」
「じゃなければこんな地味な作戦思いつくもんか。逆通商破壊って、辺境の帝国人を経済的にこちら側につけるって事だろう?」
「そうだね。司令官は無理に占領政策を採るより、帝国の辺境惑星へ経済的な利益を与える事によって同盟への心情的な抵抗をなくそうとしているんだ」
「だったらフェザーンの独立商人とでも名乗った方がいいんじゃないのか?」
「そうしてしまうとフェザーン本星に話が伝わるかもしれない。そうなると話が拗れてくる」
「フェザーンの黒狐、か?」
「黒狐かどうかはともかく、下手をするとフェザーン在駐の帝国高等弁務官府からもオーディンに話が流れ兼ねない」
「黒狐に白狐か。面倒な事だ」
「そうだね。おそらく司令官は帝国辺境を同盟の味方にする、というよりは中立化を狙っているんじゃないかな。あからさまに同盟に味方したら困るのは辺境の彼等だからね。粛清の対象になりかねない。帝国の援助がなくとも自立してやっていけると分かれば、彼等とて帝国に面従腹背で臨む事が出来る」
「俺達にだって面従腹背で臨むかも知れないぞ?」
「だからこそ経済的な利益を約束するのさ。司令官が前に言っていたよ。主義主張は生きる為の方便、とね。衣食足りて礼を知る、腹が満ち足りれば大抵の事はどうでもよくなると」
「そんなものかな」
「同盟市民は分からないけどね。だが辺境の帝国市民は違う。彼等は搾取される側だし、我々の事だって同じ様に見ているかもしれないんだ。支配者層が変わっても彼等の日常は変わらないのであれば自分達に優しい方に心情的には味方したくなるだろうよ」
「成
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