暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第187話:愛の胎動
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ンファントムに、キャロルは恐怖に顔を引き攣らせ思わず目を瞑る。奏はキャロルを守ろうとして、レギオンファントムに全身で掴みかかり取り押さえようとした。

 その時、レギオンファントムの手が何かに遮られた。

「むっ!?」
「え?」

 目を瞑っているキャロルが何かをした様子は見られない。一瞬記憶が戻って錬金術でレギオンファントムの動きを妨害したのかと思ったが、見た限りキャロルが何かをした雰囲気はなかった。
 では何がレギオンファントムの動きを妨害したのか? そう思って奏とレギオンファントムがキャロルを凝視していると、目を瞑って震えながら両手を広げるキャロルの体から陽炎の様に何かが立ち上っているのに気付いた。その現象は以前、深淵の竜宮で透の体からファントムが姿を現した時の様子に酷似していた。

「あ、あれは……透の時と同じ……」

 集中治療室の外で叩きつけられた透を助け起こしながらその様子を見ていたクリスもその時の事を思い出していた。彼女だけではない。マリアも、アルドも、医務室に居た誰もがその光景から目を離せずにいると、キャロルから立ち上った煙のような光がレギオンファントムに襲い掛かる様に飛びつき集中遅漏室から追い出した。

「ぐぉっ!?」
「うわぁっ!?」

 キャロルから立ち上った陽炎がレギオンファントムと奏を諸共集中治療室から追い出した。脅威がハンスから離れたのを見てか、キャロルは緊張の糸が途切れた様にその場に崩れ落ちる。キャロルが崩れ落ちたのを見てマリアがギアペンダントを探すのを中断して倒れたキャロルを優しく抱き上げる。

「キャロルッ! ちょ、しっかりしてッ!」
「ん、んん……」

 マリアに優しく抱き上げられたキャロルの口から小さな呻き声が上がる。どうやらただ単に気を失っているだけの様だ。一見するとこれと言った外傷が見られない事に、取り合えずマリアは小さく息を吐く。

 一方部屋から放り出されたレギオンファントムは、まさかの展開に困惑しながらも立ち上がった。

「何だ、今のは……? あれは、あの小娘の? いや、まさか……」

 何かに気付いたようにブツブツ呟きながら立ち上がるレギオンファントム。そのレギオンファントムを、後ろから羽交い絞めにするように颯人が押さえつけた。

「好き放題し過ぎだぜ、テメェ……!」
「ぐっ!?」
「ちょっと付き合えよ……!」
「何ッ?」

 何をするつもりなのかと問う前に、颯人はレギオンファントムを羽交い絞めにしながら壁を破壊して何処かへと行ってしまった。もう魔法を使う余裕も無いのか、その動きは荒々しくレギオンファントムが来た時同様本部の内部を破壊しながら何処かへと姿を消す。

 颯人らしくないその行動に奏が慌てて彼を追おうとする。

「颯人、
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