第七百三十三話 フクロオオカミその十三
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「そうだ」
「そうなのですね」
「ある種の人間はだ」
「どうにもならないまでに」
「狂暴だ」
そうだというのだ。
「それも自分より弱い相手にだ」
「卑劣なことに」
「何も抵抗出来ない相手にのみな」
「狂暴で」
「暴力を振るうのだ」
「獣以下ですね」
「外道だ」
大尉は忌々し気に言い切った。
「そうした族はな」
「そう言っていいですね」
「そうした族はな」
それこそというのだ。
「一切だ」
「容赦しないで」
「それでだ」
そのうえでというのだ。
「処分すべきだ」
「処分ですか」
「その様な輩に生きる価値なぞないからな」
それ故にというのだ。
「それぞれのコミュニティの中でな」
「自分より弱い相手に暴力を振るう」
「卑劣と非道の極みだ」
そうした族はというのだ。
「例えば小さな赤子にだ」
「暴力を振るう」
「その様な輩に生きる資格なぞだ」
それこそというのだ。
「ある筈がない」
「確かに。人としてです」
上等兵もそれはと答えた。
「付ける薬すらないです」
「そこまでの屑だな」
「何をしても治らないです」
「そうに決まっているな」
「そこまでですと」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「私も言うのだ」
「そうした族は処分すべきと」
「生きていても害毒を撒き散らすだけだからな」
「それ故に」
「そうだ、ではな」
「これよりですね」
「さらに観ていこう、あと少しだが」
動物園で観るべき生きもの達はというのだ。
「それでもな」
「最後まで、ですね」
「観ていこう」
「わかりました」
上等兵は大尉の言葉に頷いた、そうしてだった。
有袋類をさらに観ていった、二人は今も色々なものを観る為に動物園にいるのだった。
フクロオオカミ 完
2023・9・24
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