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ハッピークローバー
第百十二話 二つの祭りその十

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「その通りだよ」
「だったらね」
「それならか」
「宜しくね、実際私結構ね」
「自覚してるんだな」
「うん、そうしたところあるって」
 こう成海に答えた。
「自分でもね」
「だったらな」
「守ってくれるのね」
「何かあったら俺に言ってくれたらな」
 そうしてくれたらとだ、かな恵に話した。
「やらせてもらうな」
「どんなことでも?」
「ああ、ただ犯罪は駄目だぞ」
 成海はそれはアウトだとした。
「悪いことはな」
「したら駄目だしね」
「俺も断るしかな恵にもな」
「させないのね」
「その時は言うからな」
「うん、宜しくね」
「それじゃあな、ただかな恵よりはな」 
 ここで成海は考える顔になって言った。
「一ちゃん達の方が頼りないか」
「そう?」
「ああ、特に一ちゃんな」
 彼女がというのだ。
「結構子供なところあってな」
「そうかしら」
「世間知らずって言うかな」
「そうは思わないけれど」
「結構王子様好きっていうかな」
「あっ、そんな感じの人好きよ」
 かな恵は言われて頷いた。
「確かに」
「そうだろ、夢見るところあって」
「そういうのもあるわね」
「何かそこがな」
「世間知らずって言うのね」
「そんな感じするんだよ」
 こう言うのだった。
「どうもな」
「そうなのね」
「王子様って本当にいるけれどな」
「王室のある国にね」
「けれど物語みたいな」
 そうしたというのだ。
「王子様ってな」
「いないのね」
「馬に乗ったな」
 白馬が大抵である。
「そういう人はな、あと格好いい人を理想化するよな」
「例えば自衛官の人とか」
「王子様にしてもだしな」
「素敵な美形で恰好いい」
「そんな人好きだよな、けれど誰だってミスするしな」
「王子様でも」
「誰でもな」
 それこそというのだ。
「ミスしてそしてな」
「そして?」
「悪い部分だってな」
「あるのね」
「人間だからな」
 それ故にというのだ。
「そうだろ」
「それはね」
 かな恵も否定せずに答えた。
「確かにね」
「理想の人に欠点ないとかな」
「思わないことね」
「やっぱりな、格好悪い面だってな」
 恰好いいと思った人でもというのだ。
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