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夢幻水滸伝
第三百三十一話 牽制の為の進軍その一

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                第三百三十一話  牽制の為の進軍
 オニールは十万の兵を率いてワイオミング州のグレンジャーを拠点としてユタ州への進軍をはじめた、その際だ。
 彼は将帥達に対してこう言った。
「ほなまずはソルトレークシチーや」
「あの街ですね」
「あの街を目指しますね」
「そうしますね」
「ローガンやオグデンを攻略してな」
 そうしてとだ、進軍をはじめたばかりのところで言うのだった。
「そしてや」
「そのうえで、ですね」
「ソルトレークシチーですね」
「あの街を攻略する」
「それを目指しますね」
「そうする、ただおいら達の軍はな」
 オニールはこうも言った。
「主力やなくてな」
「陽動ですね」
「主力はあくまでトウェイン様の軍勢です」
「四十万の大軍でアリゾナ州を攻めておられます」
「あの方の軍が主力ですね」
「そやからおいら達はな」
 自分達はというのだ。
「積極的にはや」
「攻める必要はないですね」
「あくまで陽動なので」
「敵を引きつけて」
「敵の戦力を分散させることですね」
「国力はおいら達の方が上でな」
 オニールは今度は自分達の勢力と相手の勢力の差を話した。
「軍の規模もな」
「我々の方が上ですね」
「装備や物資の質と量も」
「どちらも上ですね」
「左様ですね」
「そうやがな」
 このことからさらに言うのだった。
「その敵軍を分散させてな」
「さらに力を弱める」
「そうして侵攻していく」
「それが今の我々の戦略ですね」
「トウェインさんも考えたもんや」 
 オニールは腕を組んで言った、今彼等は馬に乗ってそのうえで話している、彼等の軍は馬だけでなく自動車もかなりあり空には航空機がある。
「優勢な状況に加えてや」
「さらにですね」
「敵を分散させる」
「そして主力で攻めていく」
「そうした戦略を執られるとは」
「戦力が優勢でも敵に防御ポイントを定められると」
 そうなればというのだ。
「どうしてもな」
「敵が守りやすくなり」
「それで、ですね」
「大軍で攻めても」
「撃退される可能性がありますね」
「攻撃を仕掛けても相手の守りが堅固やと」
 そうであるならというのだ。
「当然な」
「撃退されますね」
「幾らこちらの戦力が上でも」
「敵が戦力を集中させてです」
「守りに徹したなら」
「退けられるわ」
 そうなるというのだ。
「そやからな」
「トウェイン様はですね」
「敵軍を分散させる戦略を執られ」
「それで我々はですね」
「ワイオミング州から攻めていますね」
「そうしてるわ、ただ陽動でもな」
 その目的で進軍しているがというのだ。
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