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新オズの臆病ライオン
第十幕その六

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「そうだったよ」
「そうでしたね」
「そういえばキルトがあるよ」
 臆病ライオンはこの服を思い出しました。
「あの服がね」
「そうよね、あの服はスカートよ」
 ドロシーも頷きました。
「立派な」
「それを着てもね」
「別におかしくないし」
「男の人がスカートでもね」
「いいわ」
「逆に女の人がズボンでも」
 臆病ライオンはこの場合のお話もしました。
「こちらもね」
「いいわ。それぞれの人の好みでね」
「着ればいいね」
「オズの国では誰がどんな服を着なさいとかね」
「そうした法律はないわね」
「そうしが法律を決めようってお話もね」
 それ自体がというのです。
「ないわ」
「そうだよね」
「私達もね」
 ドロシーそれにベッツイ、トロットもというのです。
「考えたこともないしオズマもね」
「考えたことないんだね」
「それぞれの人が着たい服を着ても」
 そうしてもというのです。
「いいでしょ」
「問題ないね」
「だからね」
「そうした法律はないんだね」
「オズの国にはね」
 まさにというのです。
「ないわ、だからね」
「ドロシーもだね」
「公の場で着る服はあっても」
 そして着るけれど、というのです。
「それでもね」
「普段はだね」
「今みたいなね」
「膝を覆う位の丈のスカートで」
「長袖の上着よ」
「そうしたファッションだね」
「そうなのよ」
「成程ね」
「もっと言えばドレスは嫌いじゃないけれど」 
 公の場で着るそうした服はというのです。
「実はね」
「ドレスよりもだね」
「今着ているみたいな」
 そうしたというのです。
「動きやすい服がね」
「ドロシーは好きだね」
「そうなの」
 こう言うのでした。
「私としてはね」
「ドロシーはそうだね」
「ええ、それでね」
 さらにお話するのでした。
「靴もね」
「ヒールじゃなくて」
「やっぱり動きやすいね」
「そうしたものだね」
「そうしたものが好きよ」
 臆病ライオンもに笑顔でお話しました。
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