第2話
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AM11:00―――――
〜イーディス六区・リバーサイド〜
「わぁ……素敵な所ですね。噂は聞いていましたけど、初めてきました。」
ヴァンと共にバスでリバーサイドに来たアニエスは初めて見る風景を興味ありげな表情で見回していた。
「中心部からは外れてるから繁華街みたいに騒がしくはねえな。色々面白い店もあるが……静かな分、たまに怪しげな連中も来る。俺なんかも含めてな。」
「あはは……えっと、その盗品に詳しい方も?」
「ああ、用心深いオッサンで幾つかのヤサを転々としていてな。水曜の昼は、下の屋台あたりですませることが多かった筈だ。」
アニエスに説明し終えたヴァンは振り向いて屋台を見回した。
「……まだ来てないみたいだな。このあたりを適当に周りながら現れるのを待つぞ。」
「はい、わかりました。……えっと、その方は一応ヴァンさんのお知り合いなんですよね?もし情報提供してくださったらそれなりの謝礼をした方が――――――」
「ああ、言い忘れてたぜ。」
「え……」
「そのオッサン――――――盗品に詳しい情報屋はゲス野郎だ。金のためなら親兄弟だって売るし、ヤツのために破滅した連中も山程いる。探りを入れるのは俺に任せてあんたは隙を見せずに応対してくれ。」
「りょ、了解しました……」
(前途多難ですね………まあ、いざとなれば私が”裁き”を下すまでです。)
ヴァンの忠告にアニエスが緊張した様子で頷いている中、メイヴィスレインは溜息を吐いた後目を細めた。
その後二人が屋台を歩いて回っていると、目的の人物が片手に食べ物を持って考えていた為、近づいた。
「モグモグ……さーて、どうしたもんか。連中には悟られてねぇ筈だし上手く吹っ掛けられりゃあ――――――」
「よう、ジャコモのオッサン。」
ハンチング帽の中年男――――――ジャコモが不敵な笑みを浮かべて独り言を呟いているとヴァンが声をかけた。
「てめえか……アークライドの小僧。何の用だ、この疫病神が。」
「疫病神とはご挨拶だな。知らぬ仲でもあるまいしよ。前回のヤマだってお互い悪くない落とし所だっただろう?」
「な、何が悪くないだ!てめえが横槍入れてくれたおかげであのババアからの臨時収入がフイだ!裏稼業同士としての仁義が通ると思ってんのか!?」
ヴァンの指摘に忌々しい思い出を思い返したジャコモは怒りの表情でヴァンに反論した。
「こっちも仕事だからな。欲をかきすぎたアンタが悪いのさ。それはそうと――――――過去は水に流して未来のビジネスの話でもしねえか?」
「ビジネスだぁ……?って、えらく可愛らしいのを連れてんじゃねえか。しかもその制服は……」
ヴ
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