第2話
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だ警察が封鎖してるだろうし、それとは別筋だ。とにかく急ぐぞ、今日中にケリをつけるためにもな。」
「は、はいっ……!」
「すみません〜。ちょっといいですかっ!?」
そして二人が地下鉄の駅へと向かおうとしたその時帽子の娘が二人を呼び止めて二人に走って近づいた。
「今、警察署から出てきましたよね!?どこかで殺人事件があったそうですけどそれ関連で呼ばれたとかですかっ!?」
「えっ……」
「……へえ?お嬢ちゃん、アンタは?」
娘の質問にアニエスが驚いている中ヴァンは若干感心した様子で訊ねた。
「”タイレル通信”新人記者のマリエル・エーメって言いますっ!社会部に配属されたばかりで、とあつ方面から小耳を挟みましてっ!事件について何かご存じだったり!?ぜひぜひコメントをっ!」
「あ、あの、私達は……」
「お目が高いな、お嬢ちゃん。ちょうど今、重要参考人が引っ張られて集中的に取り調べを受けてるらしい。担当者はネイトって捜査官だそうだ。突撃したら色々掴めるんじゃないか?」
「え、ちょっとヴァンさん……」
「わあっ、親切にありがとうございます!見てなさいよ〜、ディンゴ・ブラッド!今度こそ出し抜いてやるんだから〜!」
「あの、待ってください!その重要参考人っていうのは――――――」
ヴァンの話が嘘である事に気づいたアニエスが戸惑いの表情でヴァンを見つめている中娘――――――記者マリエルはアニエスの制止の声を無視して警察署へと入っていき、アニエスがその場から離れると褐色の青年がヴァンに近づいた。
(……災難だったようだな。)
(ま、いつもの事だ。これからベルモッティに顔を出す。)
近づいてきた褐色の青年に小声で声をかけられたヴァンは答えた後メモを取り出して青年に渡した。
(ドラ息子絡みの貸し借りだ。よろしく頼むぜ。)
(フッ、任せておけ。)
そして青年が離れると入れ違いにアニエスが戻ってきた。
「はあ……もうヴァンさん。あんな風にいい加減なことを言ってもいいんですか?」
「クク、空回りがちな新米記者に首を突っ込まれても面倒だからな。せいぜい俺達が動きやすいよう警察方面を引っ掻き回してもらうさ。」
ジト目のアニエスの問いかけに答えたヴァンはその場から去り
「…………………って、待ってください〜!」
その様子を少しの間見つめたアニエスはすぐにヴァンの後を追い、ヴァンと共に再びリバーサイドへと向かった――――――
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